高天原温泉へは行くには歩いていくしかない。我が家は景色や写真撮影を楽しみつつの山行スタイル、これだと最低でも2泊3日はかかるかと思う。なかにはトレランで折立から高天原温泉まで日帰りで往復してしまう人もいるというから自分とは別次元の話。ようやく北アルプス縦走をメインに高天原温泉にまで行くことができた。
我が家は折立登山口からのルートで出発。高天原温泉までの行程について山行記録に記したのでここでは省略します。
我が家の行程は5泊6日の予定で、高天原温泉は3日目に組み入れた。今回の山行の中でも高天原温泉が楽しみの一つでした。
高天原山荘到着は早めの12時頃、受付して寝床の指定を受けた。当日は予約で25人、寝床は2人で3床を使っていいとの事で1床をザックなどの荷物置場にさせていただいた。
高天原山荘内はランチ営業も兼ねた食堂や談話室、書籍コーナーやら山荘グッズと山バッジなどを販売している売店、各種アルコール飲料にソフトドリンクなどいろいろ揃っている。洗濯物を干す乾燥室や一般干し場もあって重宝した。
指定の寝床を整えて一通り山荘内を探索後に温泉に行ってみた。目指すは高天原山荘から歩いて20分ほど登山道を下った所にある。山荘の管理人さんが「昼間は暑いので、夕方以降に入浴した方がいいよ」との事だったが、いてもたってもいられず向かってみた。
道中は石のゴロつく登山道なのでサンダル履きではなく登山靴で向かうのが無難でしょう。「まだかなぁ」と思いつつ温泉へと向かう。沢沿いに出て温泉に到着した。先に到着したのは「薬師見露天の湯」と言われる混浴露天風呂だ。そこから沢を橋で渡った向こう側には「からまつ露天の湯」がある。こちらは左手方向に混浴露天風呂が、右手方向には女性専用露天風呂がある。
まずは「からまつ露天の湯」の混浴露天風呂に浸かってみる。周囲から囲われている脱衣所があるのが便利。モルタル造りで所々に石が置かれている露天浴槽。塩ビフィルムで雨除けが施され、簾が掛けられて日除けがされている。4人ほどの広さで、既に薄青白濁りの湯がたっぷりと浴槽を満たしている。
黒塩ビホースが湯舟内へとダイレクトに差し込まれ源泉を吐き出している。約25L/minほどの投入湯量があり、浴槽湯温は体感で約40-41℃ほどで浸かり易い。弱硫化水素臭に弱スベ浴感、口に含むと苦エグ味を感じる。山行で大汗をかいて3日ぶりの風呂だったので、なんとも言い表せないほど最高の湯浴みになりました。
「からまつ露天の湯」に浸かった後は、一度山荘へ戻って休憩。布団でゴロゴロしたり、洗濯したり、ビール飲んだりしてたらすぐに夕食の時間になった。
当日の夕食は17時、翌朝の朝食は5時からで食事の対象者は食堂で一斉にいただいた。食事内容は山小屋ではいたって一般的な内容かと思う。チーズハムカツの揚げ物が1/2・キャベツ千切り・パスタサラダ・山芋短冊の梅和え・南瓜と椎茸と人参の煮物・小うどん・ご飯・なめこと若芽の味噌汁の内容だ。他には小茄子としば漬けの漬物が各テーブルに置かれて自由にとることができる。ご飯は大釜で味噌汁は大鍋で用意されていて、各自いくらでもお替り自由となっている。ビールは350ml缶600円・500ml缶800円・1L缶1300円・2L缶2300円で購入可、他にも酒に焼酎、ワインにウイスキーなんでも揃う。
夕食後に、そういえば混浴露天風呂「薬師見露天の湯」に浸かっていないことを思い出した。夕食後、食休みして「薬師見露天の湯」に出掛けてみる。
一言、ここの露天風呂はワイルドだ。脱衣所という脱衣所がない。浴槽脇の片隅でチャチャっと服を脱ぐ。石造りで5-6人サイズの露天風呂で、この浴槽には「薬師見露天風呂」という木造看板が設置されている。黒塩ビホースから約15L/minほどの湯が浴槽内へと注がれている。ホースの先っぽにて約40℃ほどの湯温なので、からまつ露天風呂とは別源泉かと思う。浴槽温度は約38℃ほど、浴槽湯は薄白濁りで普通に硫化水素臭を放っている。ぬるめ湯なのでのんびりと長く浸かっていられる浴槽だ。
消灯は20時、山小屋では定番の時刻でしょう。といっても我が家は登山疲れと久しぶりに布団での就寝が心地よかったのか、19時過ぎには寝てしまった。
徒歩でしか行けない高天原温泉、ここではお湯どうこうより温泉に浸かることが出来ること自体に感謝したい。立ち寄り入浴も可能ですが、どうせなら高天原山荘泊りでゆっくりと温泉に浸かって登山疲れを癒していただきたい。
(三昧・2018年8月宿泊)
以前から気になっていた高天原温泉へ行ってきました。一般的に高天原温泉に行くには北アルプスの山中を途中一泊、高天原温泉(高天原山荘)で一泊、更に帰路で1泊の計三泊四日必要で、なかなか行きにくい場所でもあります。
今回は周辺の北アルプスの山々を含め折立~薬師岳~雲ノ平~高天原温泉~水晶岳~三俣蓮華~鷲羽岳~黒部五郎岳~折立という贅沢な5泊6日周回コースの途中に立ち寄りました。山行の様子は別記事に詳しく記してありますので、よろしかったらご覧ください。また山荘の様子は上記三昧レポにも記してありますので、ここでは温泉だけを記そうと思います。
高天原温泉は、高天原山荘からさらに山道を下って20~30分くらいの沢沿いにありました。山荘の管理人さんからは「昼間は暑いから夕方くらいがいいよ」と言われたにもかかわらず、到着早々の真昼間に行ってみましたが、行き帰りの山道は確かにとんでもなく暑かったです。特に湯上り後の火照った身体に照り付ける山の太陽光線のキツさといったら・・、途中で熱中症で倒れるんじゃないかと思ったほどで。どちら様も水分と帽子の着用お忘れなく。
ちなみに管理人さんおすすめの夕方にも行ってみましたが、確かに涼しく快適でしたが、アブ系の噛む虫がたくさん発生していて、暑さを取るか、虫を取るかの選択になりそうです。そしてやっぱり夕方の方が温泉は賑わっていました。
高天原温泉は夜間の入浴禁止にはしていませんが、場所が場所なだけにまさに自己責任でどうぞ、ということになりそうです。
沢に出るとまずは手前に混浴の「薬師見露天の湯」があります。ここは脱衣所らしきものも囲いもなく、かなりオープンな露天風呂です。女性は水着やタオル巻きなら入れそうですが私はパスしました。三昧によると、湯はぬるめで別源泉っぽいということで、後になって入っておけばよかったかな?と思ってますが。
橋を渡ると、女性用露天風呂と、混浴の「からまつ露天の湯」があります。からまつ露天の湯は混浴ってことですが、男性しか入ってなく、ほぼ男性用と言っていい状態でした。
女性用露天風呂の方は、しっかりと囲いがされ気兼ねなく利用できます。が、出入り口のカーテンが風でフワッとめくれて、外から丸見えになる箇所があるので、それだけは要注意ですね。
女性用露天風呂は6~7人サイズの岩風呂で、浴槽に浸かると周囲のカラマツや青空が見え清々しいです。浴槽には塩ビ管より薄いタマゴ味とエグ味のする適温湯が流し込まれ掛け流しとなっています。光の加減にもよりますが、綺麗に青みがかった薄白濁で、底には白い湯花が沈殿。浴槽内で絶妙な適温湯となり、湯面からはタマゴ臭がふんわり香る心地よい湯です。正直、湯はそれほど珍しいタイプではありませんが、なにより長い山道を自分の足で歩かなければたどり着けない湯で、誰もが「感無量」と思える特別な温泉だと思います。
(まぐぞー・2018年8月宿泊)
▼美しい池塘と木立の中の良いロケーションです
▼高天原山荘外観
▼宿泊した大部屋
▼山を見渡すテラスもあります
▼食堂
▼夕食
▼朝食
▼直近の登山道情報が得られるのがありがたいです
▼温泉の案内
▼立ち寄り料金はコチラへ
▼高天原温泉へは山荘から登山道を20分ほど下ります
▼露天風呂のある渓流沿いに到着
▼手前にある薬師見露天の湯
▼丸見え状態です(モデル・三昧)
▼湯口とプレート
▼薬師見露天の湯浸かった様子
▼からまつ露天の湯
▼からまつ露天の湯浴槽
▼湯口
▼浸かった様子
▼女性露天風呂
▼湯口と溢れ出し
▼浴槽からの眺め
▼帰りがツライ・・・
▼高天原温泉 高天原山荘宿泊時の様子のより詳しいレポートはこちらをどうぞ
山地図アプリと紙地図
山の温泉に行くのに必要な登山マップは「YAMAP」や「ヤマレコ」で無料ダウンロードできます。無料でひと月にダウンロードできる地図数は限られますが、頻繁に行かなければ十分だと思います。高天原山荘までロングコースなので、スマホが使えなくなった時のために紙地図携帯推奨。高天原山荘は山と高原地図「劔・立山」に載っています。
高天原温泉 高天原山荘 データ
富山県富山市有峰
→高天原山荘をGoogleマップでみる
基本的に同経営の太郎平小屋が窓口の役割も兼ねているようです
076-482-1917太郎小屋連絡所
080-1951-3030太郎平小屋現地
宿泊しました:一泊二食付き9700円
私達は太郎平小屋に着いた時点で太郎平小屋を通して予約をしましたが、コロナ対策のため2022年度は完全事前予約制となっているようです。詳細につきましては直接問い合わせください。また予約の混雑%を太郎小屋グループ公式サイト「ご予約」→「ご予約フォーム」で確認することができます。
→太郎小屋グループ公式サイト
立ち寄り入浴時間不明
300円
訪問:2018年8月(泊)