二月田温泉 殿様湯

二月田にある公衆浴場です。誰でも料金を支払えば入浴利用できます。浴舎反対側にある民家にて受付後に入浴します。ちょうど訪れたのは朝風呂ラッシュが落ち着いた頃合いで男湯が誰もいませんでした。

浴室中央に浴槽が縦方向に配置してあります。石造りの4人サイズで、すぐ隣には貯湯槽がありちょろちょろと浴槽へこぼれ湯が流れ込んでいました、また、利用客の好みにより熱い湯が好きな方は自由に湯栓を抜いて高温源泉を自由投入できるようになっています。既に湯温は約43-44℃だったので湯栓を抜くまでもなくそのまま浸かりました。

お湯は薄っすらと緑づいた貝汁濁り、細かな赤茶色の析出物が浴槽内を浮遊しています。ダシの効いた塩味、弱金気臭味のお湯です。このお湯に島津藩の殿様は浸かっていたのでしょうかね。さぞかし温まったに違いないとおもいます。
(三昧・2018年10月)


薩摩藩主の別館として使用された昔の浴槽跡のすぐ隣に建つ共同浴場です。歴史ある当時の浴槽跡もしっかり残っていて、周囲を建物で囲えば今も浴槽として使えそうでした。その浴槽跡にちなんで殿様湯と名付けられた共同浴場のようです。

向かいの家に管理人さんも常駐し、料金を支払い入浴します。男女別浴室はそれほど鄙びてはいませんが、温泉の析出物で茶色く染まる様子は、温泉マニアにはたまらない光景と思います。

浴室には茶色に染まった5人サイズの浴槽がひとつあり、脱衣所側にある横長の湯升に無色透明の熱い源泉がいったん溜められ、そして浴槽へと投入さ掛け流されています。おそらくこれは湯温を下げるための湯升だと思うのですが、そのおかげで浴槽内では丁度いいやや熱め寄りの適温となっていました。

湯面より優しくふんわりとした温泉臭香る湯は、ほんのり緑黄土を帯びた貝汁半濁りとなっています。この湯色がまた温泉の魅力を盛り上げるような綺麗な発色で、浸かっていると気分が癒されるようです。塩気のある湯はじわじわと肌に染み入るハッキリとした浴感で、ちょっとの入浴でも汗がタラタラでした。

同浴のおばあちゃんは、ここで寝湯をするのが楽しみだと言い、浴室に置かれている木枕に頭を乗せて仰向けに寝ていました。浴槽から掛け流される湯が背中に当たり「これが岩盤浴みたいに気持ちいい」とのことですよ。
(まぐぞー・2018年10月)

▼殿様湯外観

▼家紋が見えます

▼看板

▼浴室入口

▼歴代藩主

▼掲示

▼男性脱衣所

▼男性浴室

▼別の角度から

▼浴槽から

▼湯升の家紋が印象的です

▼湯升の栓で温度を調整できます

▼窓の外には昔の浴槽

▼湯小屋の外でも源泉に触れることができます

▼あらためて旧殿様湯

▼今でもじゅうぶん使えそうです

▼浴後にお参りした裏の湯権現

▼どうみても谷岡ヤスジ・・・

二月田温泉 殿様湯 データ

鹿児島県指宿市西方1408-27
Google Map
0993-22-2827
7時~21時
300円→350円
金曜日休み(祝日・お盆・年末年始は営業)
訪問:2018年9月

二月田温泉 殿様湯 温泉分析

二月田8号 ナトリウム-塩化物泉 56.3℃ pH=6.4 溶存物質計=5467mg Li=1.2mg Na=1446(74.29mv%) K=218.0 NH4-0.2 Mg=21.4 Ca=282.4 Sr=0.3 Ba=0.1 Mn=1.3 Fe2=2.5 Al=0.1 F=0.8 Cl=2870(91.89) Br=9.5 SO4=290 HCO3=57.9 H2SiO3=241.5 HBO2=23.6 CO2=35.1 (H21.6.10) 温泉利用状況=全ての項目において該当なし