ぬぐだまりの里 秘湯 八甲田温泉(宿泊)(休業中)

「ぬぐだまりの里 秘湯 八甲田温泉」は2021年度休業です。

八甲田連峰の麓に佇む温泉旅館です。正面玄関建物の三角屋根が目立ち印象に残ります。以前に立ち寄りを二度ほどしてましたが、その後「龍神の湯」という新たな浴場の新設がありました。今回は龍神の湯と、前回未湯だったラムネ風呂を満喫する事を目的に万全を期して宿泊してみました。

当日はおそらく宿泊客の中では一番乗りの到着かと思います。15時にはチェックイン。駐車場には車がたくさんあり、その殆どが日帰り客という事です。玄関を入りロビーを進むと、大勢の日帰り客で賑わっており、宿というより日帰り温泉施設と化していました。宿の選定に少し失敗したかなと思ったりもしました。到着後、翌朝一番の時間にラムネ貸切家族風呂を予約します。

番頭さん?に宿泊棟のお部屋までご案内頂きます。夏真っ盛りのお盆期間中でしたが、八甲田界隈は涼しくてエアコンいらずの快適環境でした。部屋は12帖もあり2人では十分な広さです。但し、宿泊棟建物は年季が入っており古さを感じてしまうのは拒めません。個人的には風呂とお湯が良ければその辺の所は気にはなりませんが。食事は夕食18時、翌朝食は7時半から食堂でいただきます。宿泊料金に応じた相応程度の食事内容かと思いました。まずまず美味しく頂くことができました。

まずは新設された「龍神の湯」から。宿の建物とは別に独立した規模の大きな湯小屋にあります。浴室に入ると八甲田産の木材を多用した造りで、木材の暖かみをダイレクトに感じます。ならの木を浴舎の支柱に何本も用いた、天井高く立派な造りでもあります。大浴槽は30人以上のサイズがある広めな造りです。源泉は壁を伝わせながら冷却効果も加味しつつ浴槽へ注いでいます。壁には赤茶色系の成分析出が見られます。利用源泉は八甲田温泉7号泉で、湯船縁に数か所ある切込みからはオーバーフローがたっぷりとあるので、壁からの注ぎ込み以外にも浴槽内部への直注入もあるかと思われます。湯色は笹色濁り、大きな浴槽ですが上手に鮮度良好に保たれてるのは立派です。湯温は熱め調整も44℃前後でキリリと身が引き締まります。

もうひとつある浴槽は10人サイズの造り。薄らとした白濁り湯で温めの35℃ほどです。利用源泉は八甲田温泉(ミルク)、源泉温度は35.9℃なので加温せずのそのまんま掛け流し利用です。そのおかげで丸太の湯口周辺の湯面を眺めていると、パチパチと炭酸飲料のように炭酸成分が弾けているのが確認できます。加熱するとそんなものは吹っ飛んでしまいますからね。半端に含二酸化炭素泉の泉質を名乗ってはいません。口に含むとレモン酸味、軽いギチギチ感があります。硫化水素ガス臭も少しだけ。この温泉、長湯して楽しむのが良いでしょう。「龍神の湯」には広々とした露天風呂も併設され、たっぷりと楽しむ事ができました。

続いてお目当てのラムネ風呂です。宿泊者は滞在中は無料で自由利用できます。こちらも独立した湯小屋形式です。小屋内には浴室が三つあり、交替頻度は不明ですが男女別と宿泊客でも有料の家族風呂に仕分けられます。訪問時の男性湯は内湯といったほうが正しい表現の浴室で、女性湯はちょっとした半露天風だったようです。

男湯浴室ですが角タイル張りの横並びで浸かって大人6人サイズの浴槽があります。湯船からちょい上には、硫化水素ガス換気用の窓を二つ備えています。掛け湯をして湯中に身を沈めじっとしていると驚きです。体中に泡が大量に付着してきます。これは七里田までは及ばないものの、それを思い出させてくれる泡付きです。源泉は湯中に直注入される仕組みで、湯口温度38.1℃、浴槽湯は37.4℃の何とも言えない絶妙な温度です。源泉の素性を生かし切った浴槽サイズに源泉投入量、素晴らしい湯使いです。とても気に入り、今回の滞在期間中のほとんどをこのラムネ湯で過ごしたといっても過言ではありません。「龍神の湯」のミルク湯も素晴らしいですが、このラムネ湯が一番気に入ってしましました。無色透明な湯、硫化水素の香り、いつまでも浸かってしまうこの湯温、たまらなく良いです。湯船縁の切込みから大量のオーバーフロー湯を眺めながらの至福のひと時でした。

ラムネ風呂の予約が必要な有料家族風呂も利用してみました。予約時間ちょい前にフロントへ行って鍵を預かり入浴、終わったら返却するシステムです。浴槽はタイル張り、底には木製スノコ敷きの2-3人サイズといったところです。利用源泉は同一のものですが、正直言って前記の男女別ラムネ湯の方が良いです。泡付きはありますが、いまいち物足りません。湯温は37.8℃、掛け流しですが男女別ラムネ湯を味わってしまったからには満足度に欠けます。うーん、贅沢ですかね。
(三昧・2014年8月宿泊)


 

八甲田山中のど真ん中にある一軒宿です。目の前には田代平湿原が広がる清々しい自然に囲まれた、好立地の宿でもあります。お宿自体はやや年季が入り古びた印象ですが、2014年6月に浴場を大改装し、入浴施設部分のみ新しく生まれ変わりました。再訪となる今回、新しくなったお風呂をたっぷり楽しもうと、せっかくなので宿泊してみる事にしました。

当日はチェックイン開始時刻と同時に入館。おそらく、この日の宿泊客では一番乗りだったと思います。受付は日帰り客で大賑わい。ごったがえす日帰り客への案内を待ってのチェックインとなりました。

案内された部屋は、浴舎の向かいに位置する一番奥の角部屋。12畳の和室で洗面台付き、トイレは共同、エアコンはなく扇風機が置かれています。八甲田山中という立地柄真夏でも涼しく、扇風機があれば充分なのかもしれません。実際、訪問日はお盆にもかわらず小雨の影響で、半袖では肌寒いくらいでした。その他に、お風呂セット、バスタオル、浴衣、電気ポットなど、必要なものはほとんど揃っています。布団はフカフカで気持ちよく安眠できました。部屋は建物同様にだいぶ年季が入っていますが、清潔に保たれストレスなく利用できました。

食事は一階の大広間でいただきます。ザッと見た感じ低料金の宿泊料金でやりくりすべく、安い食材でなんとか頑張っている様子が伺えました。盛り付けなどにやや雑な面も見受けられましたが、まぁ料金を考えたら仕方がないかな。全体的には美味しくいただけました。

お楽しみの温泉は、二つの棟に分かれています。ひとつが男女別内湯+露天風呂の「大浴場」、もうひとつが炭酸泉を使った「らむね湯館」となります。ちなみに以前使用されていた男女別大浴場は取り壊され無くなっていました。

まずは「らむね湯館」へ。「らむね湯館」は素朴な木造湯小屋で、内部には男女別浴室と貸し切り浴室がひとつあります。男女別浴室は広さや開放感がまったく違い、泡付きにも違いがあるので、本来なら日替わり交替するようですが、訪問時はお宿の人が忘れちゃったのか、二日間とも一番奥の広い浴室が女性用でした。一番奥の部屋がダントツで泡付きが良かったのでこちらとしてはラッキーでしたが。

一番奥の(今回女性用だった)浴室は、木材をふんだんに使用した雰囲気いい空間でした。大きく窓が開け放たれ、目の前には八甲田の緑が広がり大変開放感があります。6~7人サイズの四角い浴槽がひとつあり、無色透明のぬる湯が静かに掛け流されています。そっと浸かるとスグに泡付きがあり、アッという間に全身が泡に包まれます。酸味のある湯は七里田のようなパンチの効いたシュワシュワタイプではありませんが、じっくり泡に包み込まれる、優しい炭酸湯と感じました。滞在中はかなり長湯をしましたが、浴後はサッパリ感があり、汗がまったく出ませんでした。

せっかくなので話のネタに別料金の貸し切り風呂にも入ってみました。こちらは閉鎖的な小部屋のようで、薄暗く開放感は一切ありませんが、その空間が逆に秘湯感をかもし出しています。3~4人サイズの長方形浴槽がひとつあり、女性湯同様に酸味のある無色透明湯が静かに掛け流されています。浴槽温度はぬるめ寄りの適温で、気温がそれほど高くない日の入浴では少し肌寒い印象でしたが、炭酸効果なのか徐々に皮膚が赤くなり、ジワジワと体の内部から温められている感じがしました。楽しみだった泡付きは女性浴室の半分程度でした。

お次は男女別大浴場棟へ。こちらは「龍神の湯」と名前が付けられています。内湯・露天風呂共にドーンと広く、どこかの日帰り温泉施設のようでもあります。こちらは日帰り客の受け入れ時間帯は大勢のお客さんでごった返すので、宿泊客は夕方以降にノンビリ浸かるのが絶対おすすめ。夕方以降はほぼ貸し切り状態で広い浴場を独占できました。

先ずは内湯ですが、浴室に入ると目の前に3~40人サイズの巨大浴槽がドーンとあり、やや緑がかった黄土濁りの引っかかり感とつるつる感が混在する適温湯が掛け流されています。その浴槽にくっつくようにして10人サイズの小浴槽もあります。こちらはまったく源泉の違う、つるつるとした、ぬるい白濁湯が掛け流されていました。柔らかな明礬臭漂うレモン酸味の湯で、こちらも気持ちよく浸かる事ができました。

続いて扉の向こうにある露天風呂へ。こちらもドーンと広く、20人サイズ+10人サイズの浴槽が横並びに設置してあります。やや仮設チックな素朴でガラーンとした露天風呂です。先ずは20人サイズ浴槽ですが、ごく僅かに白濁りを帯びたほぼ無色透明で、ややぬるめの湯が掛け流されています。湯面より香るタマゴ臭と酸味が印象的な湯です。お隣の10人サイズ浴槽は緑がかった黄土濁りの適温湯で、口に含むと粉っぽさを感じます。こちらは内湯大浴槽と同じ湯と思われます。

今回初めて宿泊利用した八甲田温泉ですが、宿泊棟は敷かれたカーペットが色あせていたり、ガタつく部分もあったりとかなり年季が入っていますが、新しい浴舎はどれも湯使い良く、趣の違う源泉が楽しめ、湯を存分に楽しむという目的に絞って来ればかなり満足度は高いと思います。なにしろ宿泊料が手頃なのが嬉しかった。
(まぐぞー・2014年8月宿泊)

▼ぬぐだまりの里 外観

▼下風呂のアレに似ている・・

▼受付周り

▼一休みスペース

▼宿泊した部屋

▼備品(消臭剤・殺虫剤・ドライヤーなど)

▼お茶セット

夕食

朝食

大浴場 龍神の館

▼龍神の湯 浴舎外観

▼龍神の湯についての掲示

▼男性内湯

▼別の角度から

▼なんとも立派な浴舎です

▼大浴槽

▼源泉流し込み壁

▼小浴槽

▼湯口

▼溢れ出し

▼男性露天風呂

▼別の角度から

▼湯口

▼女性大浴場

▼大浴槽

▼浴槽から

▼女性側にもあります源泉投入壁

▼小浴槽

▼女性露天風呂

▼別の角度から

▼湯口その1

▼湯口その2

らむねの館

▼湯小屋

▼奥の浴室

▼浴槽

▼湯口

▼泡付き

▼浴槽から

▼真ん中浴室(浸かった様子)

▼湯口

▼溢れ出し

▼天井

▼貸し切り浴室

▼浴槽

▼浸かった様子

▼溢れ出し

ぬぐだまりの里 秘湯 八甲田温泉 データ

青森県青森市
017-738-8288
10時~17時
宿泊しました:一泊二食8650円+各税
龍神の館600円
らむねの館800円(貸切湯40分1500円)
両方1000円
冬期休業
訪問:2014年8月(泊)

ぬぐだまりの里 秘湯 八甲田温泉 温泉分析

八甲田温泉 酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型) 39.8℃ pH=2.4 溶存物質計=2349mg H=4.4mg Na=46.6 K=11.9 NH4=0.1 Mg=37.3 Ca=304.9(42.86mv%) Al=94.1(29.47) Mn=0.9 Fe3=0.3 F=3.6 Cl=337.5(26.90) Br=0.3 I=0.2 HSO4=169.0 SO4=1150(67.64) H2PO4=0.5 H2SiO3=173.3 HBO2=12.7 H2SO4=1.9 CO2=545.4 H2S=7.8 (H18.4.24)

八甲田温泉(ミルク) 酸性・含二酸化炭素・硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型) 35.9℃ pH=2.4 溶存物質計=1864mg H=3.3mg Na=30.3 K=10.2 NH4=0.2 Mg=25.7 Ca=266.9(47.59mv%) Al=68.6(27.26) Mn=0.9 Fe2=0.8 Zn=0.1 F=5.4 Cl=266.6(26.84) Br=0.4 I=0.2 S2O3=0.5 HSO4=102.5 SO4=919.0(68.30) H2PO4=0.4 H2SiO3=151.8 HBO2=9.6 H2SO4=0.9 CO2=1256 H2S=12.7 (H24.6.28)

八甲田温泉7号泉 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉 64.5℃ pH=6.9 溶存物質計=1651mg Li=0.1mg Na=210.8(46.46mv%) K=55.9 NH4=0.2 Mg=37.1 Ca=119.8(30.30) Al=0.1 Mn=0.4 Fe2=2.0 F=0.5 Cl=61.7 Br=0.1 I=0.4 SO4=600.2(65.92) HPO4=0.1 HCO3=286.3(24.74) H2SiO3=268.8 HBO2=6.7 CO2=69.2 (H25.6.20)

八甲田温泉(ラムネ) 酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型) 37.9℃ pH=2.4 131L/min(掘削自噴) 溶存物質計=2087mg H=4.0mg Na=63.3 K=20.2 NH4=0.1 Mg=33.4 Ca=298.8(44.51mv%) Al=76.0(25.22) Mn=0.9 Fe2=2.2 Fe3=0.5 Zn=0.1 F=5.8 Cl=302.3(28.08) Br=0.5 I=0.2 HSO4=130.1 SO4=969.7(66.46) H2PO4=0.2 H2SiO3=166.7 HBO2=10.1 H2SO4=1.3 CO2=958.9 H2S=2.2 (H24.4.6)