三条の湯(テント泊)

奥秩父山域登山の際、冷鉱泉利用の風呂に浸かることのできる山小屋・三条の湯にテン泊で一晩お世話になった。山行の詳細は省略、ココでは温泉のみコメントします。

テン泊したのは土曜日なので登山客も多い。お客さんで賑わうと予想される日は男女別にそれぞれに浴室を用意するらしい。比較的に登山客の少ないと見込まれる平日などは浴室準備は一か所のみ。一時間おきの男女交代制になる。小屋泊の方はいうまでも無く、我が家のように今回のテン泊でもお風呂利用で受付すると、利用可能時間なら何度でも浴室利用ができる。当然、浴室利用で受付してもらう。料金はテント代+お風呂入り放題で一人900円と安い。

湯小屋に入ると靴を脱いで脱衣所へ、ココでは最初に立ち入った際にタマゴ臭を感じた。キッチリと分析書と温泉利用状況を掲示してある。浴室にはタイル張り、3人横並びでいっぱいサイズの浴槽が一つある。蛇口は二つあり一つは冷たい鉱泉、もう一つからは加温された鉱泉がでる。それぞれMaxで12L/minと6L/minほどの供給量があった。しかし、基本的には溜め湯ベースなので出しっぱなしにすると水量が細くなってしまうので注意しよう。

湯は無色透明、ヌルつる浴感、弱いタマゴ臭を感じる。体感で41.5℃、循環の湯使い表示があったが当日は循環作動無し、とりあえず掛け流しという状況。下界のように大量掛け流しとか良鮮度を求めるのは贅沢であり、山中であることを思うと山行の汗を流せるだけでもありがたいと思う。排水は沢に直に放流するので、当然ながら石鹸やシャンプー等の使用は禁止されている。

三条の湯到着まで我が家は飛龍山経由で休憩込み約8時間ほど時間を要した。多くの登山客は雲取山とセットのようだ。この日は早朝からの行動で疲れもあって20時前には就寝。入浴回数は到着後と夕食前の二度ほど入浴した次第。山中に温泉、とてもありがたい贅沢なひと時であった。
(三昧・2017年4月テント泊)


奥多摩か奥秩父か、どちらに属するのかよくわからない微妙な場所に位置する山小屋です。ここでは冷鉱泉を沸かしたお風呂が楽しめるという事で訪問しました。今回は飛龍山を歩いた後のテント泊です。三条の湯へは直接車を乗り入れる事はできません。いわゆる「歩いてしか行けない温泉」のひとつです。山小屋までの登山道は長いコースから短いコースまで豊富です。

三条の湯は沢沿いの高台に、食堂、宿泊棟、トイレ、自炊棟、湯小屋などが点在しています。テント場は小屋から急坂を下った沢沿いにありました。それほど広さはないので数はあまり張れないと思います。訪問時は全部で7張あり、ほとんどが単独の方でした。おかげで沢の音に包まれながら静かに過ごすことができました。テント場や施設の詳細と飛龍山の山行は「はしご湯別館」をご覧ください。

お楽しみのお風呂は、男女別に湯小屋がひとつづつあります。宿泊客の少ない日はどちらか一方だけ沸かし、時間により男女入れ替えで利用するようですが、訪問時は小屋泊まりの人が多いという事で、両湯小屋ともに利用されていました。

女性湯小屋は窓の外に木立とテント場を見下ろす高い位置にあります。木造の温かみのある湯小屋で、大きく窓がとられた明るい浴室に3人サイズの長方形浴槽がひとつありました。満たされる湯は適温に加熱された無色透明。湯面には細かな白いカス状の湯花が浮き、ヌルツルとした肌触りと、ツンとしたタマゴ臭が特徴的です。蛇口からも源泉を追加投入できるシステムですが、湧出量を考えると勿体なく思え「ため湯」状態で利用。湯使いは加温・循環ありとの事ですが、訪問時は循環している様子はみられませんでした。沸かしの鉱泉を「ため湯」利用なので、時間を追うごとに「湯なまり」が生じてしまうのは仕方のないことで、水を使うのもままならないテント場もある中で、こうして湯に浸かる事ができるのは大変貴重だと思います。
(まぐぞー・2017年4月テント泊)

▼三条の湯

▼男性湯小屋

▼掲示

▼掲示

▼男性脱衣所

▼男性浴室(お湯が冷めないよう蓋がしてあります)

▼蓋を外しました

▼源泉投入できます

▼別の角度から

▼お客さんの句が掲示されていました

▼女性浴室

▼浴槽

▼別の角度から

▼掲示

▼窓からの眺め

山地図アプリと紙地図

山の温泉に行くのに必要な登山マップは「YAMAP」や「ヤマレコ」で無料ダウンロードできます。無料でひと月にダウンロードできる地図数は限られますが、頻繁に行かなければ十分だと思います。

 

三条の湯 データ

山梨県北都留郡丹波山村
0428-88-0616
平日・土曜12時頃~20時30分
日・祭日10時頃~20時30分
宿泊しました:テント+入浴900円(平日テント泊の入浴は要予約)
2020年8月1日以降テント1000円+テント泊入浴500円に改定されているようです
入浴のみ600円
訪問:2017年4月(テント泊)

三条の湯 温泉分析

三条の湯 単純硫黄冷鉱泉 10.5℃ 4L/miin(自然湧出) pH=10.3 溶存物質計=95mg Na=25.0mg(93.16mv%) K=0.3 NH4=0.2 Ca=1.2 F=0.2 Cl=0.4 OH=3.4 HS=2.8 HCO3=6.7 CO3=24.0(66.12) H2SiO3=30.6 HBO2=0.4 CO2=66.1 (H20.6.12) ※温泉利用状況=加温あり・循環ろ過あり