エイナル温泉はシマヴ郊外にある、広ーく整備された公園内に宿泊棟・共同浴場・レストラン・商店・ジャーミィー(モスク)・足湯などが点在した、日本風に言えば「湯治村」のようなところです。普段は長期滞在する年配層の夫婦やグループがのんびりと静かに過ごし、週末になると近隣の街からファミリーや若者グループが遊びにやってきて賑やかになります。トルコ国内には同じように整備された温泉施設がいくつかあり、その多くが手ごろな料金で宿泊できるので数か所で宿泊利用させていただきました。
エイナル温泉へは、シマヴのオトガル(バスターミナル)の外にあるローカルバス停から、周辺地域をぐるっとまわる循環バスが出ています。バス停にいる人に「カプルジャ(温泉)」と言えばどれに乗っていいか教えてくれると思います。そして運転手さんにも同じく「カプルジャ(温泉)」と言えば、エイナル温泉に着いたら教えてくれると思います。
到着後はまずレセプション棟で受付をします。ここのスタッフのみなさんはとてもフレンドリーで、顔を出すたびにチャイやお菓子をご馳走していただいたり、三昧は男性陣にジャーミィー(モスク)での金曜礼拝の見学に誘っていただいたりもしました。
宿泊棟は平屋タイプや二階建てアパートなど各種あり、今回私達はタイプの違う客室に二泊づづ計4泊しましたが、そのどちらも清掃が行き届き綺麗で、キッチン、寝室、居間、温泉を引いた浴室という贅沢過ぎる造りです。日本で同様の施設があればかなり高額な室料になりそうです。お国柄か各部屋にはコーランや、お祈りで使うと思われる敷物も用意されていました。
エイナル温泉の敷地内はとにかく広く、緑も多くとても雰囲気がいいです。たくさんの猫や大きめな犬達もいますが、湯治客にかわいがられていて人間との関係は良好なようです。日本でいう「現代湯治の宿」と言ってもいい設備の整った部屋で自炊もでき温泉ににも浸かれ、さらに公衆浴場や足湯まであるのだから、温泉マニアにもたまらない環境です。日本で湯治の長期滞在する人も多いと思いますが、たまには趣向を変えてちょっと足をのばしてトルコで湯治滞在というのも、選択のひとつに加えてもいいんじゃないかと思いました。
(まぐぞー・2019年10月宿泊)
▼広い敷地内に宿泊棟など建物が点在しています
▼受付はこちらで(レセプション棟)
▼美味しいコーヒーいただきました
▼様々なタイプの宿泊棟が点在します
▼商店もあります
▼野菜・果物・肉・チーズなど生鮮食品が揃っていました
▼レストランもあります
▼メニューです
▼なかなかのボリューム
▼ここはバーベキューコーナー?
▼とうもろこしを焼いてます(焼きたてをご馳走してくれました)
▼共同浴場は二か所あり男女入れ替え制です
(大浴場の感想|小浴場の感想)
▼この湯小屋は足湯として利用されていました
▼元気なお兄さん足湯中
▼これも温泉が出ます
▼こちらは捨て湯(?)が川になっています
▼日本のマニアさんなら浴びちゃうんでしょうか
ジャーミィー金曜礼拝
▼エイナル温泉の立派なジャーミィ―です
▼礼拝中です(撮影許可いただきました)
▼礼拝の後はみんなで昼食
エイナル温泉の湯守さん
湯治村(と勝手に呼ばせてもらいます)のジャーミィー横には源泉井の主力施設があり、温泉を管理されている湯守さんがいます。湯守さんには源泉を案内いただいたり、チャイや軽食をご馳走になりながらエイナル温泉の源泉についてお話を伺うことができました。
エイナル温泉には源泉井が数か所あり、温泉は180℃の噴気を水に当てる造成泉だそうです。この温泉が各家庭や宿泊施設にも引かれ、浴用は勿論、暖房、野菜の栽培などに使用されているとのこと。野菜は主にトマト、キュウリ、コショウを栽培していて、特に温泉栽培したトマトは甘く美味しくかなりおすすめだそうです。
エイナル温泉の湯守さんもそうですが、こうして源泉を管理される方はほとんど表には出ません。ですが日本もトルコも湯守さんあっての温泉なんですよね。
▼ジャーミィ―のすぐ横が源泉井です
▼別の角度から
▼湯守さんが源泉について教えてくれました
▼内部です
▼各家庭やハウス栽培用にも使われています
▼温泉で茹でたトウモロコシ(おいしい!)
エイナル温泉【337号室】一泊一部屋105トルコリラ
まず最初に宿泊したのは二階建てのアパートタイプ。その一階の337号室に案内されました。玄関を入ってビックリ、まずは椅子やテレビなどが置かれた部屋、続いて奥右手には椅子とテーブルもある本格的なキッチン、左手にはダブルベッドや鏡台、クローゼットのある寝室、そしてトルコ式(和式)トイレ、その隣にポリバスの置かれた浴室(こちらにも洋式トイレあり)とまぁ、ここで充分生活できそうな広く豪華な宿泊スペースでした。
キッチンには大きい冷蔵庫、ガス台(着火にはマッチなどの火種必要)、鍋×2、やかん、食器各種が取り揃っていました。ただし包丁・まな板・台布巾はありませんでした。(次に利用した628号室にはあったので、もしかしたら掃除の際にたまたまこの部屋だけ置き忘れたのかもしれません)
ドライヤー、トイレットペーパーはあるものの、石けん・シャンプーなどの備品はなし。タオルは大×2、中×1が用意されていました。シャワーやトイレ用のサンダルがあったのが助かりました。
ベッドの硬さは丁度よく、シーツ・枕・枕カバーなど寝具は全て清潔。嫌な臭いも一切無し。清掃は隅々まで行き届き気持ちよく利用できました。室内は温泉熱を利用した暖房器具でいつでもポカポカ。ただし暑い日はちょっとキツかったです。みたところエアコンもファンもないので真夏は逆に「大丈夫なのかな?」とも思いました。玄関前にはちょっとしたスペースがあり、そこで洗濯物が干せます。
お楽しみはなんといっても部屋のポリバスに引かれている温泉です。無色透明の源泉は激熱でそのまま豪快にかけ流しするのは無理なので、チョロチョロと源泉を絞って投入し翌朝に適温でマニアックに楽しむか、手っ取り早く加水するかになると思います。肝心の湯はほんのりと石膏臭香るサラッとした湯で、体への負担も少ない毎日浸かるのに丁度いい湯でした。
▼ジャーミィ―近くの棟です
▼玄関入ってすぐの部屋
▼ベッドルーム
▼キッチン
▼温泉を引いたバスルーム
▼シャワーもあります
▼トルコの一階の部屋はほぼ猫付きです
【628号室】一泊一部屋115トルコリラ
せっかくだからタイプの違う別の部屋にも宿泊したいと、ちょっとだけ奮発してワンランク上の棟も利用してみました。高めといっても前回の部屋から10トルコリラしか変わりません。前回の部屋と構造や備品はほぼ一緒。ただ、こちらの台所にはナイフとまな板もありました。もしかすると本来は基本備品で337号室にたまたま無かっただけかも?トイレは洋式ひとつで、337号室のようなトルコ式(和式)はありませんでした。
この部屋は前回の棟と比べて全てが広いのがいいです。ゆったりとした空間で、より一層優雅に滞在できます。寝室はちょっと広すぎるんじゃない?と思うほど。10トルコリラの差でこれだけ広くなるなら、ちょっとだけ奮発してもいいかな?
お楽しみのお風呂は、こちらも当然のように温泉を引いています。バスルームには横になって一人サイズ(座って二人)の長方形石造り浴槽がひとつあり、蛇口をひねれば熱い源泉が出てきます。源泉は337号室と同源泉利用と思われます。
▼レセプション棟後ろにある棟です
▼リビングやベッドルームにわかれます
▼もちろんいますよ
▼ベッドルーム(広い!)
▼鏡台もあります
▼使い勝手のいいキッチンです
▼バスルーム(こちらは石造り浴槽です)
▼もちろん温泉です(湯溜め中)
▼シャワーと洗面台
▼トイレは洋式がひとつです
▼宿泊棟の目の前には子供用遊具があります
はしご湯のすすめ・関連ページ
エイナル温泉(Eynal Kaplicalari) データ
トルコ・キュタヒヤ県シマヴ
→Googleマップでみる
→エイナル温泉公式サイト
宿泊しました:一泊一部屋
337号室105トルコリラ|628号室115トルコリラ
Wi-Fiたまにスピードが遅くなるものの基本的には普通に使える
訪問:2019年10月9日・10日・11日・12日(泊)