トルコの温泉|バユンドゥル|ファトマ・ハヌム・カプルジャ(Fatma Hanim Kaplicalari)(宿泊)

イズミルからバスで約1時間40分の小さな街バユンドゥル、そこからさらに車で約12分の所にあるバユンドゥル温泉です。バユンドゥルの街と温泉とを結ぶオトビュスは朝夕の5本あるらしいが、旅行者には使い勝手はどうでしょう?因みに今回は時間が合わず往復ともタクシーを利用しました。片道30トルコリラ。宿もしくは近所の店などで呼んで貰えました。

バユンドゥル温泉は小さな温泉街で、宿が数軒と小さな食堂が3軒ほど、肉屋と雑貨屋と道路脇に野菜果物の露店、そして小さなジャーミー(モスク)がある。散歩していたら橋がかかった川のふもとにコンクリで囲いをしたものが二か所あって、プンプンとタマゴ臭が周辺に漂っている。もしかしたらココが源泉なのかも知れないなぁ。

宿泊したのは宿の入り口に売店のある「ファトマ・ハヌム・カプルジャ」だ。売店横を通過して進むとそこは宿の中庭部分になる。中央には共有スペースで、椅子やテーブルが並んでテレビなどが置かれている。中庭を囲むように宿泊棟が立ち並んでいる。部屋数はざっと数えて25-30室ほどあったが、その全てが稼働しているかは不明だ。客層を見てみると年配の夫婦が多い。まさに日本の湯治場となんら変わらないと思った。他にはビジネス客らしき方も数名ほど滞在しておられた。

到着すると主人が出ていらして「部屋はありますか?二泊したい」と伝え部屋を見せてもらう。案内されたのは二階の部屋で、玄関にもなっているバルコニー脇に冷蔵庫が置かれていた。部屋の広さは8畳+αほど。セミダブルベッド一つとシングルベッド一つ、ちょっとしたキッチンがあったが調理道具や備品、食器等の備え付けは一切ない。それと洗濯物の干し場もある。部屋の印象がよかったのでここでお願いした。

部屋にはトイレ併設の浴室でバスタブが一つある。シャワーは固定式、訪問時はシャワーヘッドが壊れていてシャワーというより打たせ湯状態のシャワーでの利用となった。しかし出てくる温泉はなかなか素晴らしく良いものでした。バスタブに湯溜めして入浴したがやはり温泉は素晴らしい。お湯からはフルーティーな強めタマゴ臭がプンプンと香る。これはなかなかのタマゴ臭です。

無色透明、サラリとした浴感のお湯で単純硫黄温泉と推測できる。ここではバルブを開けて掛け流しで湯浴みを楽しめる。バルブは一つのみなので加水なしの源泉100%でしょう。湯口温度はせいぜい約42℃ほどで、浴槽内では41.5℃ほどになる。またこの湯温が温すぎず熱すぎずでなんとも心地よいのである。プンプンとするタマゴ臭とこの湯温での湯浴みを何度も味わいたくて、珍しく朝昼晩と寝る前に四度ほど部屋風呂を楽しんだ。温泉マニアの方々ならバユンドゥルの湯の虜になるでしょう。是非ともお試しいただきたい。

食事は調理道具や備品、食器を持参しなくとも、隣近所に出前もしてくれる食堂があるので何の心配はない。併設の売店にも、日本の湯治宿の売店に並ぶような種類の商品が売られていてとても便利だ。アルコールも種類豊富で満足できる。この店に欲しい物が見つからなくても隣近所の雑貨屋にいけば大抵のものはそろうでしょう。

宿には番犬を兼ねた犬が二匹いて、初めはワンワンと吠えるが次第に慣れてきて腹を出して来たり散歩に付いてきたりする。なんともかわいい犬で名前はフンドゥック。

当初は二泊のつもりが、日本の湯治場のような雰囲気とお湯の良さが気に入ってしまい一泊追加して三泊してしまった。
(三昧・2019年10月宿泊)


 

民間の素朴な湯治宿「Fatma Hanim Kaplicalari(ファトマ・ハヌム・カプルジャ)」です。温泉場への玄関口、園芸栽培の盛んな素朴な街バユンドゥルから、オリーブ畑と昔ながらの石積み家屋が寄り添う小さな集落を越えた先にバユンドゥル温泉はあります。

バユンドゥル温泉は2軒の温泉宿と数軒の飲食店、雑貨店や床屋で構成されたとてもこぢんまりとした湯治場で、温泉の湯元でもあるアヒルの群れる細い川と大きく茂る木々の緑が印象的なのどかな場所でした。温泉街(といっても徒歩1分ほどのわずかな範囲ですが)は、湯治滞在のご老人がゆっくり散歩したり、カフェで寛いだりする姿がある以外は農業のトラクターや、この辺りのメジャーな乗り物サイドカー付き二輪車が時々通り過ぎるだけの静か過ぎる地です。当然日本人は珍しく、みんなの注目の的になります。

宿泊したのは二軒ある湯治宿のうち、女将さんの名前を宿名にした「Fatma Hanim Kaplicalari(ファトマ・ハヌム・カプルジャ)」です。入口にはお酒も売る小さな食品雑貨の店がある方、と言えばわかりやすいかな。

元気なワンコや猫達のいる中庭を囲むようにして宿泊棟と家人用家屋が並んでいます。今回宿泊したのは二階部分のこちらです。

各部屋には食事や寛ぎスペースに利用できる椅子とテーブルが置かれたベランダのような部分があり、ここで靴を脱ぎます。(室内は土足禁止です)

部屋はキッチンスペースもついた1Kで、ダブルベッドとシングルベッドがあり計3人まで泊まれるようです。広くなく狭くもなくといった丁度いい室内でしょうか。設備・備品としてはベランダ部分に大きめ冷蔵庫、室内にガスボンベもついたガス台、テレビというシンプルなものです。食器や調理道具はありませんが、湯治場内の雑貨店である程度揃えることができます。ただ食材の調達が限られるので、もし自炊をするのであればバユンドゥルの町である程度買い物して乗り込んだ方が良いと思います。

ベッドはダブルの方はやや硬めで寝心地も良いのですが、シングルの方はマットレスがヘタッてきていて中のスプリングがモロに体に当たります。低さもあってソファーがわりに使われる率が高いからダブルに比べて劣化しているのかなぁ?とも思いました。寝具はシーツ、枕など全てにおいてしっかり洗濯され気持ちよく利用できました。

部屋付きのトイレ、シャワーは年季が入っていますが特に問題なく利用できます。シャワーの温水・勢いもバッチリです。シャワースペースでもあるバスタブでは温泉を掛け流して浸かることもできます。この温泉が無色透明、ぬるくなく熱くなくの絶妙湯加減、ツーンとした揮発系タマゴ臭が香りスベスベ感の心地よい、マニアさんにもおススメできる良泉です。浴槽タイプはバスタブタイプの他にタイル浴槽などもあるようなので、もしこだわりがあればいくつかの部屋を見せてもらうといいと思います。

食事は付いていませんが、その気になれば自炊もできるし、なんといってもすぐ近くの食堂から部屋へ出前が頼めたのがとても便利でした。

年季が入った鄙び系庶民的な湯治宿で好き嫌いが分かれるかもしれませんが、これが日本にあれば間違いなく温泉マニアさんには強く支持されると思います。女将さんをはじめとするご家族は素朴で優しく、長期滞在の常連さんも気さくで、飾り気のない「ふだん着のトルコ」を経験することができました。ほんの数日の滞在でしたが、去る時の寂しさと言ったら。ここは是非また再訪したいと強く思いました。
(まぐぞー・2019年10月宿泊)

▼小さな温泉街バユンドゥル温泉です

▼お世話になったファトマ・ハヌム・カプルジャ

▼中庭を囲むように建物が点在しています

▼宿泊した棟(洗濯物のある2階の部屋に泊まりました)

▼宿泊部屋の並ぶ廊下

▼宿泊した部屋(玄関)

▼手前にもう一台シングルベッドがあります

▼キッチンもありました

▼調理道具は要持参(近所に売っている店もあります)

▼バスルーム(トイレ・洗面台もあります)

▼タマゴ臭プンプンの湯がドバドバ出ます

▼浸かった様子

▼玄関前の椅子でまったり

▼近所の食堂から出前も頼めます

▼これは女将さんがご馳走してくれました

▼椅子から見える向こうの山に・・・

▼トルコ国旗が見えます(あそこは何だろう?)

▼人懐っこいフンドゥック

▼お散歩にもついてきます

▼この子は大人しい

▼女将さんのヒヨコ

▼次の日さらに大量のヒヨコがやってきました

▼お世話になった女将さん、ご主人、息子さん。

▼水と緑が豊かなバユンドゥル温泉

▼秋なので葡萄も売られていました

▼これが源泉井かな??

ファトマ・ハヌム・カプルジャ(Fatma Hanim Kaplicalari) データ

トルコ・イズミル県バユンドゥル
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一泊一部屋100トルコリラ
Wi-Fi共有スペースでは普通に使えた。部屋では外のベランダスペースのみ使えた。
宿泊:2019年10月20日・21日・22日(3泊)