レー中心地近くの「サブー」という村に「体に効く鉱泉があるぞ!」と地元の人に教えてもらいバイクに乗って行ってみました。
「サブー」のゲートを過ぎてしばらくは荒涼としたガレた地です。
水分のまったく無さそうなカッサカサの景色が続きます。
本当にこの先に鉱泉があるのかなぁ?と不安になりつつ進むと・・・
突如、緑豊かなオアシスのような集落に到着です。ここは局地的に水が豊富なようで、美しい水の流れる水路もあり、地域の人が野菜を洗ってました。住民に鉱泉の場所を聞くと「もっと手前だよ、左の高い場所にゴンパがあったでしょ?あの辺の草地に鉱泉が湧いてる」とのこと。どうやら知らぬ間に通り過ぎてたみたい。
こちらが鉱泉の湧く草原です。牛がいたから単なる牧草地と思って通り過ぎてました。
すぐ背後は乾いたガレ場ですが、ここだけは輝くような緑に覆われています。
草地は全体が湿地のようになっていて、その数か所に鉱泉の湧出地ポイントがあり、大事に保護されていました。
これは眼に効くのかな?
こちらの源泉井には「酸性」と書いてありました。どの程度の酸性泉なのか口に含めば一発でわかりそうだけど、度胸がなくて試してません。
せっかくなのでゴンパにも行ってみました。
施錠され無人でした。
ゴンパの少し下の方に、たくさんの洗濯物と小部屋の並ぶ療養所のような建物もありました。誰かいたらお話を伺おうと思ってちょっと待ちましたが誰も現れず。その横では立派な建物を建設中でした。もしかしたら新しい湯治療養所を造ってたりして!?
源泉地から道路を挟んだ向かいには小さな湯小屋もありました。
湯小屋はふたつの小部屋に仕切られています。
中を覗くと源泉地から引いた鉱泉が打たせ湯のようになっています。せっかくなんでちょっと足や手に触れてみると、完全な冷たい水じゃないんですね。夏だったせいもあるかもしれないですが・・・。次に来るときは温度計とpH試験紙を持ってこよう!
一組のご家族が湯治に来られていました。ガスボンベや調理道具一式、そして家のワンコも連れてここでキャンプして数日間湯治するとのこと。お父さんの腰の療養で、この鉱泉を患部に当てると痛みが緩和されるんだそうです。メインはお父さんの足腰の湯治療養ですが、子供達にとっては夏の楽しいキャンプみたい。
いいなぁ・・・うちも次にレーに来るときはここでテントはって湯治キャンプしよっかな。
温泉療養というと日本や欧州を真っ先に思い浮かべますが、ここラダックでも生活に根付くように行われていたことを知ることができたのが何よりの収穫でした。
(2019年8月)
サブー鉱泉源泉地
Saboo Village, Leh, Jammu and Kashmir
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源泉地に面した道路沿いにピンをたてました。源泉の流れの先にあるモワモワとした湿地に湧出ポイントがあります。
訪問:2019年8月