夏季シーズンの繁忙期で連日予約が取れない状態のなか、ようやく一部屋予約することができたホテル利尻です。それに合わせて目的の一つだった日本百名山の一つ利尻富士登山を無事に果たすことができました。
本来なら利尻島へのフェリー到着時間に合わせて事前予約制の送迎バスの運行があるようですが、我が家は下山時刻がよめなかったので路線バスで移動してホテル利尻にチェックインしました。夕食も到着が不確かだったので1泊朝食付きプランで予約していました。
部屋は4階にある朝日館、8畳和室でエアコンは無し。窓を開けると海風が涼しく、気になっていたエアコン無しは問題なしでした。部屋の設備備品は十分揃っていて何の不自由もありません。ただWiFiは宿泊した4階の部屋では利用できず、必要なら一階のロビー周辺まで行かなくてはなりません。
ビールやら各種飲料も自販機があるので問題なし。館内にはコインランドリーもあったので溜まっていた洗濯物を処理、その間に部屋で登山疲れもあってちょっと一息です。5階にあるしおさい館には屋上展望場があり周囲の素晴らしい眺望を楽しむことができました。特に利尻富士と夕日の眺めが格別でした。夕飯は近くに地元の料理店が多数ありますが、今回の旅でかなり世話になったセコマで総菜を買ってきて手っ取り早く部屋で済ませました。
お目当ての温泉は一階にあります。宿泊客の入浴可能時間は13-23時と翌朝5-8時です。日帰り入浴も営業しているので「13-21時は日帰りのお客様がいらっしゃるのでご了承ください」的な案内もあります。浴室には太古の湯と麗峰の雫というネーミングのついた温泉利用の浴槽があります。他には低温サウナとサウナ利用後の水風呂もありましたが、今回は利用しませんでした。
まずは太古の湯といういわゆる大浴場的な浴槽から浸かります。約15人サイズの石風呂で縦に長い変形型浴槽をしています。湯色は薄い緑黄土色の微濁湯ですが、利用客が集中すると赤茶色が強くなったりと変動します。またしばらく入浴客が居ないと湯面に白っぽい膜が張ったような感じにもなります。湯投入は浴槽端っこにある三角コーナーのような部分から温かったり熱かったりの安定しない湯が浴槽へ注がれていました。また別湯口からはなんと非加熱の生源泉も浴槽へ注がれていました。非加熱源泉は無色透明、明瞭な炭酸味、金気臭味、薄塩味がするものです。浴槽底部には吸込み口が作動していて循環仕様で約43℃ほどに調整されていました。
せっかくなので非加熱源泉の浴槽に浸かってみたいものだなぁと思っていたら、なんと隣の浴槽がそれでした。先に案内した麗峰の雫という浴槽です。円形浴槽は石造りで7-8人サイズ、温い生源泉そのままの投入湯で満たされていました。夏の時期、なんとも絶妙な湯温でいつまでもじっとしていられます。湯面スレスレの部分の塩ビ排湯口よりオーバーフローあり。今回の滞在で、浴室に居るときはほとんどこの浴槽に浸かっていました。特に翌朝の入浴時間開始直後に浸かるのがいいです。実際には4時半には入浴できていましたが、警備員の方が言うには朝は電気が点いていれば入浴できるそうです。朝一の浴槽の湯面には白いカルシウム成分が膜のように張っているので見るだけでも面白いです。
内湯の他に露天風呂もあります。露天へ移動する通路途中には蚊取り線香がたかれています。利用しませんでしたが高温サウナまでも併設されていました。屋根付きの露天岩風呂で6-7人サイズの広さがあります。目前には磯を眺めることもできますが、湯に浸かってしまうと残念ながら見えません。岩石湯口より湯投入あり。湯色は薄い緑黄土色の薄濁り、湯温は約42℃ほどでした。
ホテル利尻の翌朝チェックアウトリミットは10時、なかなか清潔の上に機能的で快適なお宿、お湯も楽しめて満足のいく滞在となりました。
(三昧・2018年8月宿泊)
ホテル利尻は利尻島の沓形地区にある町営の大型観光ホテルです。利尻島2泊目はこちらにお世話になりました。沓形地区待望の温泉を掘り当て温泉施設と宿泊施設を創ったです。今回は利尻富士下山後にお世話になり、次の目的地礼文島に行くフェリー乗り場にも近いという点で選んだので、あまり温泉は期待していなかったのですが、なんとなかなかの良泉をお持ちで、さらに非加熱源泉掛け流し槽まで備えられていました。
館内にはコインランドリー(洗濯機と乾燥機がそれぞれ1台づつ)、電子レンジがあり、徒歩5分~10分ほどの場所にはコンビニのセイコーマートがあります。
今回利用した部屋は海が目の前の八畳和室で、ユニットバス、トイレ、電気ポット、お茶セット、テレビ、扇風機などが置かれ、まったく不自由むしません。建物自体はそれほど新しい印象はないのですが、部屋は清掃が行き届き壁も綺麗で気持ちよく利用できました。
お楽しみの温泉は一階に大浴場があります。大浴場はホテルだけのものではなく、日帰り専用の出入り口もあり住民のための保養センターという役割もあるので、夕方などはちょっと混雑するようです。なので宿泊の場合は日帰りを行っていない時間帯にのんびり湯浴みを楽しむといいかもしれません。
しっかりと清掃され気持ちよ利用できる脱衣所を抜けるとまずは内湯です。広々とした内湯は使い勝手のよいシャワーが並び、二つの温泉浴槽、低温サウナといったいかにも大型宿泊施設の大浴場といった造りです。
温泉槽はひとつが7~8人サイズ八角形の非加熱源泉掛け流し槽で、湯口より無色透明のぬるい源泉を投入、浴槽内で人肌よりややぬるい程度の薄黄土濁りの湯が掛け流しとなっています。源泉は湯口から一口含むと弱い炭酸感と重曹の甘味、そして薄い塩気のあるもので、土類と金気も複雑に混ざり、奥会津の湯に似ている印象があります。なにより夏の下山後の疲労した体にぬるい湯が気持ちいいこと。また朝一番の湯浴みでは、このタイプの湯に多く見られるパキパキの白いロウのような湯膜がビッシリと張り楽しめます。
もうひとつの温泉槽は12~3人サイズの長方形で、こちらは浴槽内で加温源泉を循環しつつ、湯口より非加熱源泉を投入する半循環です。湯温は適温で非加熱源泉ではちょっとぬる過ぎるというお客さんは、こちらに浸かっていました。朝一番ではこちらの槽にも湯膜がビッシリでした。
続く露天風呂は6~7人サイズの岩風呂で、内湯の加熱槽同様に加温源泉を循環しつつ、湯口より非加熱源泉を投入する半循環となっていました。湯温は内湯よりもやや熱めで、薄い黄土濁りの湯となっています。柵の向こうを見ると海が広がり、波の音とカモメの鳴き声を聞きながら湯浴みが楽しめました。また、浴槽からは利尻富士の頭がチョコンと見えるのですが、早朝には真っ赤な朝焼けを見ることができました。
今回初めて利用した「ホテル利尻」ですが、使い勝手が良く、温泉も良く、朝食も美味しく、一泊という短い時間でしたが満足との高い滞在を得ることができました。利尻島自体、そうそう行ける場所ではありませんが、またぜひ再訪したいお宿のひとつです。
(まぐぞー・2018年8月宿泊)
▼ホテル利尻外観
▼宿泊した部屋
▼ユニットバスもついています/お茶請けは昆布飴
▼部屋からの眺め
▼屋上展望所からの眺め(利尻富士がすぐ目の前です)
▼夕陽も綺麗
▼朝食
▼ホテル利尻浴場入り口
▼りしりんがお出迎え
▼浴室掲示
▼男性内湯
▼手前が半循環浴槽/奥の円形が非加熱源泉掛け流し
▼半循環浴槽の熱かったり温かったり湯口
▼非加熱源泉掛け流し浴槽
▼湯膜びっしり
▼非加熱源泉湯口
▼男性露天風呂
▼麗峰湧水の美味しい水/休憩スペース
▼日帰りはこちらが入口になるようです
利尻ふれあい温泉 ホテル利尻 簡易データ
北海道利尻郡利尻町沓形字富士見町90番地
0163-84-2001
営業期間4月~11月下旬(要問合せ)
宿泊しました:一泊朝食付き8400円
13時~21時(受付20時30分)
※露天風呂5月~10月
550円
訪問:2018年8月(泊)
利尻ふれあい温泉 ホテル利尻 温泉分析
利尻ふれあい温泉 含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 33.4℃ 84.1L/min(自噴) 溶存物質計=12.15g Na=2742mg(68.42mv%) K=155.2 NH4=1.9 Mg=405.7 Ca=341.3 Mn=0.5 Fe2=15.3 Cl=3784(59.21) SO4=381.4 HCO3=3993(36.30) CO3=1.5 HPO4=5.1 H2SiO3=183.0 HBO2=133.0 HAsO2=6.4 CO2=1105 (H25.11.6) ※温泉利用状況=加温あり・循環ろ過あり・塩素系薬剤の使用あり