恵山温泉旅館

記念すべき?北海道上陸後初めて入湯した温泉となった「恵山温泉旅館」です。恵山登山口の一つ近くに佇む温泉旅館です。帳場奥の部屋にご主人がいらして入浴受付してくださいました。「石鹸はつかえないよ」「いいんです、温まるだけだから」とだけ言葉を交わし浴室へ。途中の廊下壁に分析書をきっちりと掲示してありました。

浴室は正面ガラス張りで照明暗めの設計。4人サイズで浴槽縁は石造り、湯舟本体は木造浴槽となっています。そんなことよりも、浴室に入り目に映った光景に驚きました。浴槽からオーバーフローするお湯の量の多さに目が釘付け状態となってしまいました。塩ビ管から大量に投入される湯量は約90L/minオーバーでお見事と言うしかありません。お湯の見た目もすばらしく、薄い紅茶色をしておりモール泉のようです。口に含むと薬渋味に酸味が前面に出ています。明礬臭味もハッキリと感じられます。この泉質でこの色の温泉は初めて目にしました。とても素晴らしい素性の湯で、湯使いも非の付け所がないほどです。北の大地上陸一発目から個性的なお湯に出会いました。
(三昧・2018年8月)


すぐ背後に小高い山々がこんもりと見える温泉旅館です。雑多な印象もある気取りのない宿で、受付時に対応くださったご主人に石鹸は使えないよと言われます。館内のあちこちにも石鹸は使えないとの貼り紙があり、ここが酸性の温泉である事がうかがえます。

廊下を進んだ突き当りに男女別の内湯があり、脱衣所を抜けた途端思わず「おっ」と声をあげてしまいました。鄙びた浴室に5人サイズの長方形浴槽がひとつあり、目にも鮮やかな薄赤いモール系の澄んだ湯がザアザアと掛け流しになっています。温泉成分がトゲトゲと付着した湯口から惜しげも無く流し込まれる湯は、夏場に嬉しいややぬるめで、湯面からは明礬臭が香り、口に含むと明瞭な酸味とアルミ箔でも口に入れたかのような何とも歯の浮くような感覚があります。また湯中には細かなフワフワとした白い湯花も少量舞っているのが見えます。酸性でこの赤モール系の湯色は珍しく、ついつい浸かりこんでしまいました。
(まぐぞー・2018年8月)

▼外観

 

▼掲示

▼男性浴室

▼男性浴槽/湯口

 

▼女性浴室

▼女性浴槽/湯口

 

北海道函館市柏野町117-150
0138852041
6時~20時
300円
訪問:2018年8月
恵山温泉(屋外タンクにて採水) 酸性・含鉄(2)・アルミニウム-硫酸塩泉 41.5℃ 120L/min(自然湧出) pH=2.2 H=6.3mg Na=70.8 K=9.2 NH4=3.5 Mg=31.0 Ca=276.7 Al=325.7(52.87mv%) Mn=1.6 Fe2=125.4 Fe3=48.5 Zn=0.2 F=0.5 Cl=187.5 HSO4=617.8 SO4=2908(83.78) H2PO4=1.7 H2SiO3=263.4 HBO2=22.2 CO2=158.7 HAsO2=3.5 H2SO4=9.9 (H22.7.22) ※温泉利用状況=秋から冬場は加温あり