万座温泉 松屋ホテルは閉館しました
長い冬季閉鎖も終り、開通してひと月ほど経過した志賀草津道路。例によって草津から万座入りする。未湯の松屋ホテルに立ち寄りさせて頂く事にする。お宿は冬場なら目の前がスキー場のゲレンデという位置にある。すぐ隣には湯の花旅館がある。
お風呂は男女別の内湯、貸切り風呂が二つ。男女別内湯は総木造りで自分好みのもの。1.7×2mの広さで5人ほどが浸かる事ができます。ガラス張りの外には朽ち枯れた木がいい雰囲気を出している。万座の山々にはまだ残雪もちらほらと。。。景色もそこそこに待ちきれずに湯に浸かる。う~たまらん、久々の万座はいいなあ。湯船には10L/min程度の源泉が常時投入されている。と同時にホースから少量の水もちょろちょろと注がれています。湯が熱い時の為に、浴室隅っこには木製の湯もみ板までもありました。湯は薄白濁色の硫黄泉。浴室外には大量の湯華で埋もれてしまいそうな源泉溜めがあり、冷却&ガス抜きをしている様子。
一方、二箇所ある貸切風呂にも浸かってみた。こじんまりした2-3人用の木製浴槽がそれぞれに一つずつあり。浴室と言うべきか浴舎と言った方が良いのかもしれない浴室は、鄙び?なのかボロ?といった様子。外には源泉を冷却する自家製の熱交換器がある。熱い源泉を溜めてある木枠の中にビニールホースで水を通し冷却している。女将さんに聞いてみると、熱交換後の冷却した温泉を浴槽に投入。熱い源泉と冷却された源泉を混合して適温にする仕組みだそうだ。熱交換によって出来るお湯はキッチンで利用している。浴槽をかき回すと薄白濁りだった湯が、真っ白な湯華が大量に舞った影響であっというまに完全な白濁湯になってしまった。貸切風呂の湯は些か温めというか適温41℃&熱いほどであった。
松屋ホテルでは昨今の温泉偽装の騒動で温泉の利用形態を掲示するようにしたという。チェック項目は加温に循環濾過、また入浴剤の有無。更に消毒処理の状況に源泉使用温度まで掲示されている。松屋ホテルでは源泉に加水のみしているそうだ。これはココのお宿だけではない。最近、群馬県の各温泉利用施設でも、この様な掲示が多く見られるようになった。
(三昧・2005年5月)
ゲレンデの真ん前に位置する松屋ホテルです。日曜日という事で他所の宿泊施設はどこも続々と日帰り観光客が訪れているというのに、松屋ホテルに限っては、どういうワケかお客さんが一人も見あたりません。すぐお隣の「湯の花旅館」なんぞ、某無料本効果か続々と湯浴み客が訪れているというのに。
館内に入ると、いきなり食堂が広がります。ウインターシーズンは多くのスキーヤーで賑わうんだと思います。シーズンオフの訪問時は、お客さんがいない所為か照明が消され、昼間だというのに薄暗い。受付では女将さんらしき方が応対してくださいました。館内の浴室は大きくわけて2箇所。受付すぐ横の貸切風呂×2、長い廊下の先にある男女別大浴場とがあります。せっかくなので全部入ってみる事にしました。
まずは貸切風呂の受付寄り浴室から。ここは、洗い場、浴槽、壁に至るまで殆どが木造という温もりある造りです。特に放射状に板の広がる洗い場はなかなかの風情。浴槽は2人サイズで、これまた素敵。白濁した湯が満たされ、しばらく湯浴み客がいなかったのか、湯花が底の方に沈殿していました。そこで大きく湯揉みをすると、アッという間に濃厚な黄白濁に。湯にそっと体を沈めると、意外にも温め。万座の湯とは思えない程の温い湯です。浴槽には熱い源泉と、源泉を冷ました温い湯が注ぎ込まれています。温いという点で物足りなさがありましたが、浴感はなかなかでした。備品はシャンプー、石鹸。
続いてお隣の貸切浴室へ。こちらも先ほどの浴室とほぼ同じ造りです。浴槽はやや広めの3人サイズ。熱い源泉と、源泉を冷ました温い湯が注ぎ込まれています。こちらは大きく混ぜても白濁のままで、やや熱め(人によっては、とても熱いかも?)。熱さ、浴感ともに充分で、今回浸かった松屋ホテルの浴槽の中では、ここが一番湯の状態が良かった。何にしても木造浴室に小さな浴槽、ふたつの貸しきり浴室は私的には非常に好みです。万座は比較的大きな浴槽が多いですからねぇ。備品はシャンプー、石鹸。
最後に男女別大浴場へと向います。こちらも貸切風呂同様の造りで、5人程入られる大きな浴槽がひとつ。窓の外には万座の景色が広がり眺めは良いです。木造の浴槽には熱い源泉と水(貸切風呂のような冷ました温泉ではなく、真水)が注がれ、やや熱め。静かな浴室で、キリリと熱い万座の白濁湯をのんびり楽しむ事ができました。
帰り際、女将さんとしばし談話。貸切風呂で使用している「ぬるい源泉」は、湯溜めの中に炊事で使用する配水管をグルグルと入れ熱交換しているのだそう。「スキーシーズンは大混雑ですか?」と聞くと「うーん‥それ程混まないのよね」と、ちょっと困った顔をされていました。以前、湯の花旅館の女将さんも「最近、若い人のスキー離れで、お客さんが減った」と嘆いていた事を思い出しました。
(まぐぞー・2005年5月)
▼外観
▼男性浴室
▼別の角度から
▼湯口
▼外の湯枡
▼窓からの眺め
▼女性浴室
▼浴槽
▼貸し切り風呂その1(お湯を混ぜると湯花で真っ白に)
▼貸し切り風呂その2
▼湯揉み板
▼天井
▼自家製熱交換器
万座温泉 松屋ホテルは閉館しました
万座温泉 松屋ホテル 簡易データ
群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉
11時~15時
700円
訪問:2005年5月
万座温泉 松屋ホテル 温泉分析概要
ラジウム北光線 酸性-含硫黄-マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(硫化水素型)76.0℃ (使用40-43℃) pH=2.5 成分総計=1397.3mg Na=122.0mg K=17.3 Mg=106.0 Ca=35.1 Fe2=1.6 Mn=5.9 Al=5.5 H=3.2 F=1.0 Cl=128.0 SO4=792.0 HSO4=8.5 H2SiO3=117.0 HBO2=12.4 H2S=41.8 (H5.4.2) ※源泉温度調整の為に加水している旨の表示あり