ひと昔前に一度宿泊したことがあるお宿の山田温泉。良い印象が残っていたので再度宿泊してみた。建物は温泉旅館と公衆浴場に分かれていて、それぞれ廊下通路で繋がっていて行き来ができる設計。宿玄関より入館し帳場で受付する。今回も食事なしの素泊まり一泊でお世話になる。料金は一人4500円+税との事。時の流れなのか以前より若干ほど値上がりしていた。支払いは受付時でもチェックアウト時どちらでもよいとの事だったが、素泊まりだったこともあり先払いする。
そういえば宿の運営は前回いらした年配のご主人と女将さん世代から次の世代へ引き継いだのかも知れない。旅館部帳場で対応してくださった方が女将さんで、後に出掛けた公衆浴場の受付の方がご主人なのかも。旅館部帳場付近の壁には先代の孫なのか柔道大会で優秀な成績をあげているのがわかる賞状やトロフィー、メダルなどが誇らしげに飾られていた。そんな中、色紙に書かれた山田温泉名物のハゲ川柳もチラホラと目にする。帳場横の通路を進むと宿泊者用浴室へ行ける。途中、自販機がありビールや酎ハイ、ジュースなどが仕入れられる。
部屋はやはり温泉浴槽付きの旧館指定で予約。泊り客の宿泊部屋としての他に日帰りの家族湯でも使われているようだった。部屋は6畳和室で2人までならなんてこと無いスペースでしょう。早くも部屋風呂に入ってみた。ヒバ造り浴室、浴槽も同じ造り。1人で浸かるにちょうど良い広さですね。室内に鼻にツンとくる揮発刺激臭が漂っています。温度計を差し込んでみると湯温は44.4℃の熱めに調整されています。温泉投入は湯華除去のため袋掛けされている蛇口と袋掛けされていない蛇口の二つです。袋掛け湯口は58.7℃で温度からして源泉そのままでしょう。袋掛けでない湯口からは42.8℃と適温でこちらは熱交換で暖房等に利用後の温泉かと察します。入室時はどちらも少量ずつ常時出すことで温度調整されていましたが、チェックアウトまでは好みの温度に自由調整して湯浴みを楽しみました。お湯の見た目はパッと見は黒っぽいですが湯船の色のせいでしょう。スベスベとした浴感が目立つ、薄甘塩味のモール系湯。炭酸イオン含有量がけっこうな数値かと思う。
旅館部浴室も利用した。こちらは宿泊客専用浴室となっていて公衆浴場利用客は利用できない。泊り客は16-翌9時までならいつでも利用できるのが嬉しい。浴室は変形四角形、3-4人サイズのタイル張り浴槽。御影石湯口周りは茶系クリーム色の温泉析出物が浴槽方向へ流れ込むように堆積している。湯口内で湯華除去目的の袋掛けが施されていた。浴槽温度は41.3℃と適温からやや温めに調整されている。これがなかなか心地よい湯温で長々と深夜に浸かってしまった。他に客が居なかったので曇ガラスサッシも開放し外気を取り込みつつ湯浴み。ちょっとした半露天風呂の感覚であった。
せっかくなので翌朝に公衆浴場にも出かけてみた。客室から公衆浴場へ通じる廊下通路を進み番台横の入り口を開ける。受付のご主人?に朝の挨拶をしつつ脱衣所へ。ひと昔前の津軽の公衆浴場に多く見られる広めな空間、中央には畳素材の腰掛椅子、壁際の脱衣棚、腰掛椅子を挟んで反対側には洗面台を配置する。浴室へはガラス張りで脱衣所と浴室が互いに見渡せる造りだ。浴室に入ると津軽の公衆浴場そのものの造りで、中央部分に縦長浴槽を配置する。それを取り囲むように両サイド及び正面部分にはシャワー付きの洗い場となっている。浴室自体が使い込まれた感を思わせる雰囲気が出て来ている。逆にいい味を出していると言った方が正しいのかも知れない。浴槽周りや周辺床等は温泉析出物による色づきもある。浴槽は仕切りにて二つに分かれている。その仕切り中央部分に湯口がある典型的なものだ。当日の湯温はどちらも体感ながら42℃ほどでほぼ同じだった。違いを見つけるならば浴槽の深さが普通と深め、広さ的には7:3の大きさ違いという点につきます。
今回素泊まり一晩泊まった感想としては何にをするにせよ特に不自由はなかったし、滞在中はいつでも温泉入浴できるのが魅力でした。温泉好きの方なら部屋風呂あり、旅館風呂あり、公衆浴場ありで一度泊まりもよろしいかと思います。
(三昧・2018年1月宿泊)
鶴田町にある山田温泉を約11年ぶりに再訪しました。こちらは公衆浴場の他に旅館も併設されていて、前回も宿泊利用させていただきました。今回は二度目の宿泊利用となります。さて11年ぶりの山田温泉ですが特に大きく変わった様子はありません。ただ11年の時が流れたぶん、建物全体にやや年季が入って来たようにも思います。それと冬だったからか、以前いた猫や馬の姿はありませんでした。
旅館部の入口は公衆浴場の向かいに位置しています。館内に入ると感じのいい若女将が対応してくれました。どうやらいつの間にか若夫婦に世代交代したようです。旅館部には2タイプの部屋があり、ひとつは部屋風呂付、もうひとつは部屋風呂なしになります。当然宿泊するのは部屋風呂付です。10年前はタオルなどの備品をつけなければ安くなるという料金設定があったのですが、それが今でもあるのかわかりませんが今回も予約時に「タオルなどはいりません」と言ってみました。また食事つきの設定もあるようですが今回も素泊まりです。
部屋は玄関ホールから渡り廊下を進んだ別棟となります。昼間は家族湯としても利用されているのかな?と思える小部屋が廊下に並び、そこが宿泊部屋となります。前回は一番手前の部屋でしたが、今回は逆に一番奥での宿泊となりました。部屋は六畳の和室と風呂、洗面所、トイレつきという便利な造りとなっています。備品としてはテレビ、お茶セット、シャンプー、ボディーソープが置かれ、暖房の効きも良くポカポカです。冷蔵庫は廊下に共同のものがあります。なにより清掃が行き届き、全てにおいて気持ちよく利用できる点が気に入りました。
部屋風呂は、こぢんまりながら浴槽は勿論、壁や床までも総ヒバ造りの立派なものです。前回はまだ白く若い木材でしたが、11年の年月を重ね深い色合いの渋い浴室へと変化していました。浴槽はひとりでゆったり、つめて二人サイズの長方形です。湯花キャッチャーの取り付けられた蛇口湯口より激熱源泉がチョロチョロ投入され、これとは別の蛇口にて熱交換で湯温を下げているのかな?と思われる源泉も同時投入され、浴槽内で適温の掛け流しとなっています。前回訪問時は浴槽底から激熱源泉を投入していたので、知らずにその上に座ってしまい、あまりの熱さにビックリして飛び上がった記憶がありますが、その穴は今回訪問時では塞がれていました。肝心の湯はウーロン茶色の綺麗なもので、湯中には細かな植物片のような茶色い湯花が舞っています。湯面からは発酵植物のような芳醇で甘い香りが漂い、スベスベとした肌触りも心地よく、なにより入る人が限定されるので鮮度抜群、本当に気持ち良い湯浴みがたっぷり楽しめました。
山田温泉の風呂付部屋でも大満足なのですが、宿泊するとこの他に旅館部の風呂、公衆浴場の風呂も楽しむことができます。が、私は部屋風呂で満足してしまい、今回は他の浴場へは行きませんでした。久々の宿泊でしたが、温泉的な満足度に加え、清掃が行き届き快適な館内、感じのいい若女将と、やっぱりここはいい温泉施設だなぁとあらためて感じました。
(まぐぞー・2018年1月宿泊)
▼旅館部外観/受付まわり
▼ハゲ川柳が飾られていました/旧館廊下
山田温泉 部屋風呂
▼宿泊した部屋/部屋からの眺め
▼部屋の備品
▼部屋には風呂とトイレがあります/冷蔵庫は共同のものが廊下に
▼部屋風呂
▼浴槽
▼熱湯湯口/ぬる湯湯口
▼浸かった様子/溢れ出し
山田温泉旅館部浴室
▼浴場入り口/男性脱衣所
▼男性浴室
▼湯口/お湯
▼浸かった様子/窓の外は雪原でした
山田温泉大浴場
▼男性大浴場/湯口
▼おまけ・山田温泉といえば・・別の施設で見つけた会員募集ポスター
▼山田温泉2005年・2006年(宿泊)の記事もどうぞ
山田温泉 データ
青森県北津軽郡鶴田町大字鶴田字小泉460-6
0173226666
6時~22時
350円
宿泊しました:旧館一泊素泊まり(タオル等備品なし)4500円+税利用
※2018年訪問時の料金です。最新の料金は要確認。
訪問:2018年1月(泊)
山田温泉 温泉分析概要
小泉温泉(再分析)ナトリウム-塩化物泉 65.2℃ pH=7.9 溶存物質計=5.761g Na=1941mg(95.00mv%) K=118.1 NH4=7.1 Mg=2.3 Ca=16.8 F=1.8 Cl=2605(83.13) Br=6.7 I=1.8 HPO4=0.3 HCO3=606.3 CO3=143.7 H2SiO3=231.4 HBO2=78.5 (H21.7,24) ※温泉利用状況=見つけられず
【以前の分析】小泉温泉 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 61.0℃ pH=8.1 63.8L/min(掘削自噴) 溶存物質計=4719mg Na=1500mg(95.98mv%) K=81.6 NH4=4.6 Mg=0.3 Ca=7.3 Mn=0.1 Fe2=0.1 F=1.0 Cl=1780(73.77) SO4=16.5 HPO4=0.7 HCO3=973.0(23.44) CO3=45.0 H2SiO3=225.6 HBO2=83.3 CO3=24.1 (S57.4.12) ※泉温が高いので加水しています