白布温泉 湯滝の宿 西屋(宿泊)

白布温泉 湯滝の宿 西屋 2016年1月宿泊

白布で唯一、茅葺き屋根が今も現存する旅館「西屋」に宿泊しました。冬期で雪が心配でしたが今年は暖冬でかなり少ないらしく、宿泊当日は雨が降っているほどの暖かさです。逆に言うと雪が少なくて少し拍子抜けしてしまいましたが。フロントにてチェックイン、客室までご案内頂きます。部屋は6畳和室、普通の旅館なので必要なものは揃っています。夕食と翌朝の朝食は宴会場で当日の宿泊客といただきます。

入浴施設は「滝湯」と呼ばれる男女別内湯がそれぞれに、他にも宿泊客だけが利用できる「家族風呂」もあります。こちらは特に予約不要で空いていればいつでも入浴可能です。まずは内湯の滝湯です。以前に一度だけ立ち寄ったことがあるので詳細は省略します。名物的存在の3本の打たせ湯のような滝湯は変わらずに存在します。浴槽の素材は御影石で長い年月、温泉を流したせいか今のような黒光りした状態になったとの事。湯温は体感で43-44℃ほどで、十分に掛け湯して体が慣れないと少し熱く感じてしまいます。小浴槽ならぬ掛け湯槽は46-47℃ほどあるので注意が必要です。相変わらずの大量掛け流しも健在で十分に楽しめました。ただ、3本の滝が常に轟音と共に落ちているので静かに湯に浸かりたい方には不向きかも知れません。

立ち寄り不可の家族湯は2階にあって、滞在中なら24H利用できます。こちらは滝湯ではないので静かに湯浴みできます。2-3人サイズの内湯と同じ御影石造り、腰掛け部分も浴槽内に設けてあります。チェックイン直後の一番湯で湯音は43.3℃、掛け湯をして身体を十分に慣らしてからの入浴となります。湯は無色透明、ちょいキシむ浴感あり。特にクセが無く万人にも大丈夫な泉質です。茅葺きの建物、末永く大切に守っていって欲しいところです。
(三昧・2016年1月宿泊)


 

山形県と福島県の境に位置する吾妻連峰、その山懐に建つ茅葺屋根の重厚な建物が見事なお宿です。数年前の夏に一度立ち寄りでお邪魔しましたが、行楽のハイシーズンとあって訪問客が多く、じっくりとお湯を楽しめる状況ではありませんでした。なので今回は、雪道を敬遠して訪問客が少なくなると思われる冬場に宿泊利用してみました。

館内は外観同様に重厚な和風建築の世界が広がります。誰もがイメージする「秘湯」という言葉が似合いますが、都会からのお客さんも多いようで、接客オペレーションはしっかりしています。逆に素朴な湯治宿によくある「ユルイ空気」を期待すると肩透かしになるかな。

通された部屋は一階廊下のL字に曲がる部分にあたる「さくら」でした。六畳のこぢんまりとした部屋で、コタツが置かれています。トイレは共同ですが、その他の必要なものは大抵揃うといった印象で、まったく不自由はありません。暖房の効きもよく、まったく寒さは感じませんでした。ただし隣室のテレビの音、廊下の音がハッキリ聞こえます。これまで宿泊した湯治宿や山の宿の中でも「かなり聞こえる部類」に入ると思います。訪問時がたまたま賑やかだったのかもしれませんが。

食事は二階の食事処でいただきます。平均的な旅館料理といった印象ですが、お正月の訪問だったので、おせちが出ました。ひとつだけ「・・・?」だったのが「米沢郷土料理 冷汁」何故かダシが全然感じられず茹でたキャベツの味しかしません。私達の味覚が鈍っていたのかな?朝食もお正月らしいメニューが出ました。

「西屋」最大のウリは、なんといっても温泉でしょう。館内には男女別浴室と宿泊者のみ利用可能な家族湯がひとつあります。先ずは男女別ですが、細い廊下に沿って昔ながらの風情ある浴舎があります。脱衣所を抜けると時代劇の世界にタイムスリップしたような重厚で趣きのある浴室が現れます。木造の浴室はボンヤリと灯された薄暗い照明の中にあり、格子窓から細く外光が射し込みます。轟々と音を立てながら流し込まれる滝湯の先に、5人サイズの黒い石造り浴槽がひとつあり、無色透明熱め寄り適温湯が川のように溢れ掛け流されています。湯温調整のために加水はされていますが、ここまでの掛け流しは最高に気分良いです。お湯の感触がどうのこうのの感想もありますが、ココではただひたすら、浴舎の雰囲気と豪快な掛け流し湯を存分に楽しませていただきました。

お次は二階にある家族湯です。こちらもなかなかの趣きある浴室に、3~4人サイズの四角い石造り浴槽がひとつあります。管より熱めより源泉を少量流し込み、同時にホースで常時チョロチョロ加水されています。豪快な掛け流しの男女別浴場とは対照的な湯使いですが、そのぶん湯花も多く、じっくりと楽しめる湯になっています。湯使い的には時間が経つごとに劣化しそうに見えて、実際は利用客が圧倒的に少ないためか湯汚れなどは一切なく、いつ行っても状態の良い湯を楽しむ事ができました。

今回初めて宿泊利用した西屋ですが、お宿の秘湯的雰囲気が楽しく、温泉を含め非日常世界を存分に味わう事ができました。スタッフの皆さんも、とても感じの良い方ばかりでした。
(まぐぞー・2016年1月宿泊)

▼白布温泉 西屋 外観

▼玄関

▼館内は畳敷きです

▼フリースペース

 

▼フリースペース/冬の飾り

 

▼宿泊した部屋

▼お茶請け/夏のカメムシ捕獲セット

 

▼1月2日の夜に枕の下に置く「初夢船」

▼浴衣のサイズは自由に選べます/ポップな柄の浴衣でした

 

▼共有の洗面所は温泉が流しっぱなし

▼析出物が見事/白布ケロリンがありました

 

白布温泉 湯滝の宿 西屋 夕食

 

 

 

 

白布温泉 湯滝の宿 西屋 朝食

 

白布温泉 湯滝の宿 西屋 男女別浴室

▼浴室入口/男性脱衣所

 

▼男性浴室/滝湯

 

▼男性浴槽/掛け湯槽

 

▼女性脱衣所/女性浴室

 

▼女性浴室/滝湯

 

▼女性浴槽/浴槽から

 

▼掛け湯槽/掛け湯槽湯口

 

白布温泉 湯滝の宿 西屋 家族風呂

▼家族風呂

▼別の角度から/浸かった様子

 

白布温泉 湯滝の宿 西屋 2006年8月

訪問の機会に恵まれなかった米沢エリア。白布もその中の一つでようやく立寄ることができた温泉である。宿泊は当然ですが立寄りの営業も積極的に受付けているようです。建物の一部分が茅葺屋根になっている造りのお宿。

浴舎は別棟にあり男女別。内湯のみで露天風呂はない。黒光りした石の正方形浴槽が一つあるのみである。すぐ隣には滝のような打たせ湯が3本ほどあります。その打たせ湯が、そのまま浴槽へ流れ込む仕組み。浴室に入ると、まずは浴槽から溢れ出る湯量の凄さに驚きます。推定100L/minは越えていると思われるオーバーフロー。これほどのオーバーフローは、そうそうあるものではありません。無色透明、弱焦げタマゴ臭に石膏臭の湯が掛け流され、湯中には黄白い消しゴムのカス状態の湯華が舞っています。加水うんぬんと掲示がありましたが、鮮度良好の状態が楽しめるので気にはならない程です。44℃ほどの浴槽温度でちょうどいい湯浴みです。浴室内に季節柄、アブがぶんぶんと飛来してきており注意が必要。同浴のお爺さんが刺されてイテーッとなっていました。
(三昧・2006年8月)

▼白布温泉 西屋 外観

白布温泉 湯滝の宿 西屋 データ

山形県米沢市大字関1527
0238-55-2480
12時~15時30分(受付15時)
500円
宿泊しました:一泊二食15120円利用
訪問:2006年8月・2016年1月(泊)

白布温泉 湯滝の宿 西屋 温泉分析

白布第1号源泉・白布第2号源泉・白布第3号源泉(分湯枡における分析) カルシウム-硫酸塩泉 57.2℃ pH=7.3 溶存物質計=1198㎎ Li=0.2mg Na=58.3 K=5.3 Mg=1.4 Ca=268.7 Mn=0.7 F=0.7 Cl=6.7 HS=0.3 S2O3=1.6 SO4=679.5 HCO3=72.9 CO3=0.1 H2SiO3=101.2 HBO2=0.5 CO2=6.3 H2S=0.1 (H27.5.18) ※温泉利用状況=加水あり

以前の分析

白布第1号・第2号・第3号源泉 カルシウム-硫酸塩泉 56.8℃ pH=7.5 蒸発残留物=1250mg Na=58.2mg K=5.5 Mg1.7 Ca=280.5 F=0.7 Cl=8.2 HS=0.6 SO4=724.1 HCO3=91.9 CO3=0.2 H2SiO3=103.6 HBO2=0.4 CO2=4.9 H2S=0.2 (H4.7.23) ※温泉利用状況=加水あり