ウズベキスタンの温泉|メルシャン・サナトリ―(Mercian Sanatory)

タシケント近郊(Ahmad Yassaviy・アフマッド ヤサビイー)に温泉があると訊いて行ってみました。向かう途中、市内を離れていくにつれて周囲の景色は草原や畑に様変わりしていき、街中とは全く異なる眺めになっていきます。

到着するとそこは「HOTEL MERCIAN」というリゾートホテル風の宿があり守衛さんに「温泉に入りたい」と伝えると、指で「あっちの方に受付がある」みたいなジェスチャーをされます。行ってみると木を多用した建物があり温泉棟とレストラン棟らしき場所がありました。ところどころにはハングル語でなにか文字が書かれています。どうやらここは韓国とウズベキスタンが以前に共同で建てた施設のようです。

受付に行くと韓国語で挨拶されました。たぶん韓国人に思われたのでしょう。再び「温泉に入りたい」と伝えるとカウンターにあった料金表を提示されます。それには90000ソム(約1012円)とあってウズベキスタンの物価からすると高いですが、ここは気前よく払っておきます。

ここから先は男女別の脱衣所への入り口になります。扉を開けて靴を脱いで脱衣所へ上がります。すると日本の温泉施設の見慣れた脱衣所そのもので何の違和感もありません。タオルや韓国式らしく垢すり道具なども置かれているので入浴道具を持参しなくても大丈夫な感じです。鍵付きロッカーも完備していました。

さて、ココは嬉しいことに水着着用無しの裸で入浴出来る日本スタイルなので一気に服を脱いで浴室へ。若干の熱気こもりの室内に大浴槽と掛け湯槽、サウナと水風呂、シャワー2基が目に入ります。まずは掛け湯槽でたっぷりと掛け湯をします。この掛け湯槽からして薄く白濁したお湯が加水掛け流しになっています。そのままここで温泉を湯桶で汲んで身体と洗髪を済ませました。ふと壁に目をやるとハングル語・中国語・ウズベク語で注意書きが書かれていました。中国語からおおよその意味を察しますと、入浴前に身体を洗いましょう、というところでしょうかね。

お次はメインの大浴槽に浸かってみます。一段ほど上がった場所にあり、約8人サイズの円形タイル浴槽の造りです。湯色の見た目は光加減にもよるかと思われますが、やや灰色がかった薄白濁といった感じです。湯舟底までなんとか見通せるほどの透明度具合です。湯面下まで湯量調整可能な塩ビ管が2本ほど差し込まれており、片方から熱い源泉がもう片方からは湯温調整の水が差されていました。比率としては源泉と水で約7:3ほどでしょうかね。体感湯温は約42℃ほどで適温に調整されていました。温泉は焦げタマゴ臭と金属臭を放ち、少しスベスベとした浴感があります。口に含むと苦エグ味も少々あり。

このウズベキスタンで日本と変わらぬ入浴スタイルな上に、しっかりと管理された施設で加水ながら掛け流しの薄白濁湯が楽しめるとは正直驚きました。ココは施設は古いですが温泉マニアの皆様方なら満足できるレベルでしょう。ウズベキスタン観光の合間に寄ってみてはいかがでしょうか。また、受付正面近くには分析書らしきものが掲示されていました。参考までに簡易版を掲示しておきます。これによると硫黄成分の記載がないのですが、分析していないのでしょうか?その辺は不明ですが。
(三昧・2019年8月)


クィリクバザール駐車場から頻繁に出ている456番のマルシュルートカ(ウズベキスタンの乗り合いバン)で30分弱ほど、タシュケントの街並みを抜け田園の広がるのどかな地にある温泉施設です。

どうやら韓国が開発したリゾート地のようで、鹿のオブジェが乗った門をくぐると、あちこちにハングル表記があり、従業員も韓国語で話しかけてきました。さながらウズベキスタンのリトル韓国といった所でしょうか。広々とした敷地の園内には、宿泊施設、プール、韓国料理店などがあり、その一画に温泉棟もありました。この施設がいったいいつ造られたものかはわかりませんが全体的にかなり年季が入っているようにも見えます。

温泉棟は園内の奥の方にありました。すぐ隣は韓国料理の店で、数組の韓国人が食事中です。温泉棟受付の若い女性はウズベキスタン人ですが、普通に韓国語で話しかけてきます。ただ英語を話さないんですよね。なのでまさかの日本人登場に料金などを説明するのに悪戦苦闘してました。

料金は約1000円くらいと、ウズベキスタンの料金からするとかなりお高めで、バスタオルとスポーツタオル、そしてナイロンタオルを手渡されます。浴室は男女別にあり、入口で靴を脱ぐと鍵付きロッカーの並ぶ脱衣所です。ここで裸になり、浴室へと向かいます。そう、海外では珍しくスッポンポンになる入浴スタイルで、まるで日本の公衆浴場へ来たかのようでした。脱衣所や浴室にはいろいろ注意書きや案内も掲示されていたようですが、私にはさっぱりわかりませんでした。

女性浴室は思った以上に広さはあるものの、やや天井が低めで窓が少なくちょっと薄暗い雰囲気です。体を洗う用の細長い掛け湯槽(温泉利用)、円形の温泉浴槽、ちょっとしたプールのような長方形水風呂が点在、そしてマッサージベッドが二台ありスタッフのウズベキスタン女性が手際よく韓国マダムのコリをほぐしていました。見ているととても気持ちよさげで、旅に疲れたらここでほぐしてもらうのも良さそう、と思いました。

肝心の温泉は8人サイズの円形風呂で、湯口より熱い無色透明源泉をジャボジャボ投入、同時に少量の加水もされ浴槽温度は適温に保たれています。湯口で金属臭(配管の臭いかなぁ??)、そして時々出くわす温泉の生臭さも感じます。投入時点では無色透明、浴槽では薄い白濁を帯びたスベスベとした肌さわの比較的アッサリとした湯です。この浴室には扉の向こうに垢すり台の並ぶもうひとつの部屋も見えましたが、あそこはサウナ?だったんでしょうか?浴後に使用したタオル類は脱衣所のカゴに入れます。この辺りも日本と一緒でした。

それにしてもここはウズベキスタンですよ?この地でまさかこんな日本と同様の裸入浴で楽しめるなんて思いもよりませんでした。お客さんはほぼ100%韓国人というのも「ここはどこ?韓国?」という感じでおもしろかったです。
(まぐぞー・2019年8月)

▼456番ミニバスが発着するタシケントのクィリクバザールは大混雑

▼広すぎて乗り場がなかなか見つかりません

▼人に聞いてやっとたどり着いた乗り場

▼ミニバスに乗って

▼のどかな郊外

▼ミニバスを降りるとメルシャン・サナトリーの門が見えました

▼おそらく営業時間かな?

▼こちらが温泉棟

▼韓国レストラン併設です

▼受付

▼男性脱衣所

▼タオルやアメニティも揃っています

▼韓国の商品でしょうか?

▼分析も掲示

▼男性浴室

▼左が浴槽・右が掛け湯槽

▼温泉浴槽

▼掛け湯槽

▼注意書き(中韓あるのに日本語がありません)

▼シャワーもあります

▼水風呂

▼韓国の入浴の様子でしょうか?

メルシャン・サナトリ―(Mercian Sanatory) 簡易データ

タシケント近郊(Ahmad Yassaviy・アフマッド ヤサビイー)
タシケントのクィリクバザールから「メルシャン・サナトリ―」前を通る456番ミニバス3500スム(約40円)が出ている。帰りは降りた場所で待っているとクィリクバザール行きの456番ミニバスが来る。市場付近でタクシーに聞いたところ温泉まで片道42500スム(約485円)とのこと。
Googleマップでみる
入浴のみ90000ソム(約1012円)
訪問:2019年8月

メルシャン・サナトリ―(Mercian Sanatory) 温泉分析概要

温度=? pH=7.8 成分総計(かな?)=1.369mg K=0.332g(74.69mv%) Ca=0.056 Mg=0.024 HCO3=0.341(28.97) SO4=0.352(37.96) F=0.226(33.07) HBO2=1.09mg H2SiO3=26mg (2008年2月サンプル・3月にテスト)