関温泉 中村屋旅館

「100%源泉掛け流し」宣言をしている関温泉の宿に立ち寄りしました。入浴を受け入れている宿はその宣言通り、関温泉の湯を掛け流しで楽しむことができます。

土曜日の午後、立ち寄ったのは中村屋旅館さんです。対応いただいたのは女将さんで一人500円の入浴料を支払いました。「内湯と露天風呂があって、今なら露天風呂をご夫婦ご一緒で入れますよ」との事で、せっかくなので先に露天風呂を利用することにしました。因みに内湯と露天は全く異なる場所にあるので、両方を利用するなら着替えをしての移動が必要です。

露天風呂は宿の建物の裏手に位置しています。宿の勝手口みたいなところからサンダルに履き替えて進んでいくと、目隠しの葦簀が見えるのでそこが入口です。すぐに脱衣場があって横には露天浴槽がありました。周囲は緑の木々に囲まれていて雰囲気は良いです。冬場は積雪により露天風呂は閉鎖されるようです。

浴槽は3人サイズの石造り。屋根もなく開放感があります。見た感じのお湯は無色で微にごりですが、湯に浸かり掻き混ぜると鉄粉を撒いたようなダークオレンジ色に変化します。お湯は弱い石油のような臭い、弱重曹味、ガス臭にスベ感とキシ感があります。湯面スレスレのところにある塩ビ管湯口からは無色透明(46.7℃)のお湯が浴槽へ注がれていました。オーバーフローは湯舟端に切込み湯道を経由して確認できました。浴槽温度は42.5℃の適温でちょうどいいです。浴槽に浸かり周りを眺めつつ露天風呂を楽しませていただきました。

続いて服を着て館内にある内湯に移動です。浴室は正面に広く採られたガラス窓、右手に3人ほどのシンプルな石造り浴槽、左手にはシャワーカラン洗い場がありました。横を向いた塩ビ湯口、ここから約18L/min(47.0℃)のお湯が浴槽へ落とされています。湯の鮮度は露天と比較すると断然に内湯が上です。なので湯温も熱め43.9℃でした。当然にも掻き混ぜて湯華で湯色がオレンジ色になります。見た目にも楽しめて関温泉の湯は好みです。
(三昧・2020年10月)


妙高山の中腹に位置する関温泉は、数軒の宿で構成される静かでこぢんまりとした温泉街です。その中でも特に素朴な印象を受ける中村屋旅館にお邪魔しました。昔ながらの引き戸玄関が印象的な中村屋旅館は、玄関は昔ながらの木造家屋ですが、その後ろにくっつくようにして新しい印象の棟もありました。

お宿には混浴(貸切?)利用の露天風呂がひとつと、男女別内湯があります。「今なら露天風呂が空いているから先に入っては?」とのことで、露天風呂から利用させていただくことに。館内からサンダルに履き替えて裏庭のようなところを進むと簡素な湯小屋があり、その先に露天風呂はありました。

周囲を森に囲まれた露天風呂は3人サイズの四角い浴槽がひとつあり、すぐ目の前は緑深い樹木が迫りなかなかの解放感です。湯口より静かに掛け流される湯は、浴槽内で薄い茶濁りを帯びていましたが、大きく湯をかきまぜると、底に沈殿していたパウダー状の湯花が舞い上がり、アッという間に目にも鮮やかな赤っぽいオレンジ色の湯へと変身しました。目立つ個性は鮮やかな湯色ばかりでなく、まったりとした重曹臭と鉄、そして石油のような香りを丁度いい適温で楽しめる、なかなかの露天風呂です。

露天風呂で大満足だったのですが、せっかくなので男女別内湯も利用してみることにしました。女性浴室は窓が大きく外光がよくさしこみ、内湯ながら解放感があります。

浴室には3~4人サイズの四角い浴槽がひとつあり、薄い茶濁りを帯びた湯が静かに掛け流されていました。こちらも大きく掻き混ぜると、浴槽底に沈殿していた湯花が舞い鮮やかな湯色に変身しますが、露天風呂では赤っぽいオレンジでしたが内湯では黄土濁りとなり、そっと浸かると最初はスベスベ感、そして後からキシキシとした肌触りがします。湯口で源泉を含むと露天風呂では感じられなかったシュワッとした弱い炭酸感と、ほんのりかすかな塩気も感じられます。湯面から漂う鉄と重曹臭も楽しめました。湯色の楽しさは露天風呂が上ですが、鮮度や源泉そのものの個性を楽しむなら、断然内湯が良いです。

関温泉の各お宿は一緒の湯元を利用しているんだと思いますが、引き湯の距離や微妙な湯使いの加減によるものなのか、湯の表情が微妙に違うのがまた楽しい温泉街です。
(まぐぞー・2020年10月)

▼外観

▼館内

▼簾の向こうが露天風呂

▼入浴前の露天風呂

▼お湯を掻き混ぜると鮮やかな色に

▼湯口

▼浸かった様子

▼浴槽からの動画をどうぞ(音が出ます)


 

▼お次は館内の男女別浴室へ

▼男性浴室(入浴前)

▼動画もどうぞ(音が出ます)


 

▼湯口

▼浴後は濁り湯に

▼女性浴室

▼女性浴槽

▼湯口

 

関温泉 中村屋旅館 データ

新潟県妙高市関温泉
Googleマップでみる
0255-82-2308
立ち寄り時間要問合せ
500円
訪問:2020年10月

関温泉 中村屋旅館 温泉分析概要

関温泉 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 48.6℃ pH=6.4 510L/min(掘削自噴) 溶存物質計=2070mg Li=1.3mg Na=472.3(65.47mv%) K=36.2 NH4=9.4 Mg=35.0 Ca=115.4 Sr=1.3 Ba=0.4 Mn=0.7 Fe2=14 F=0.1 Cl=728.5(75.88) Br=5.7 I=2.4 SO4=2.8 HCO3=389.2(23.55) H2SiO3=220.4 HBO2=35 CO2=319.4 (H26.10.7) ※温泉利用状況=全ての項目において該当なし