アラコル湖トレッキングの宿泊拠点でもあり、温泉も湧出しているアルティンアラシャンに宿泊しました。カラコルのビッグバザールにあるマルシュルートカ(ミニバス)乗り場から350番に乗り登山口まで向かいます。運転手に「アラシャン」と伝えておくと登山口で降ろしてくれます。料金は我が家は荷物が小さかったせいか一人30スム、一緒に乗った荷物たっぷりの欧米人は50スムを請求されていました。ということは荷物で20スムなのでしょうかね、詳しくはわかりませんが。
登山口からアルティンアラシャンの集落(季節限定登山基地?)は休憩も含め徒歩4時間でした。ジープや馬でも来られますが途中の美しい清流や人々との交流も楽しめ、ハイキングコースとしても素晴らしいので個人的には徒歩をおすすめしたいと思います。
アルティンアラシャンの集落には2019年の訪問時には6軒(?)ほどの宿泊施設がありましたが、登山口から見て集落の奥の方に温泉湯小屋を持っている宿泊施設が三軒ありました。逆に手前にある宿は内湯はないものの川沿いに点在する露天風呂に近いので、内湯か露天風呂どちらをメインターゲットにするかで宿泊先を決めると良いと思います。内湯を希望する我家は、最初どの宿が湯小屋を持っているかわからず、手前から一軒一軒訪問して聞き込みしながら探しました。結果もっとも多い4つの浴室を所有していた「アラシャン トラベル ゲストハウス(Arashan Travel Guest House)」を選びました。
「アラシャン トラベル ゲストハウス(Arashan Travel Guest House)」には高校生くらいのお兄ちゃんがいて受付から部屋の用意、宿泊客の食事の準備などほぼ全てをひとりで行っていました。そのお兄ちゃんに値段を聞くと四人部屋を我が家二人で貸切、夕食と朝食付き、4つある温泉湯小屋入り放題で一人1000スムで手を打ちました。
案内された部屋は四台並んだシングルベッドの他にはロッカーと荷物を置く棚だけというシンプルな造りです。バスタオルなどの備品等はありません。言えば貸すと言ってましたがタオルを持って行ったので大丈夫。部屋の窓は集落の通りに面し、その向こうには緑豊かな斜面が見え、馬や牛など多くの家畜がのんびり行き交う姿が見えます。
部屋は土足可能なため全体的に土っぽく、ベッドシーツなどもやや雑多な部分がありました。訪問時がたまたまだったのか、なぜかお兄ちゃんひとりで管理していたので、あちこちに手のまわらない部分が見てとれましたが一生懸命ひとりで切り盛りしている姿を見ていると何にも言えません。他に大人もいたけどナゼか何もしてないんですよ。働くのはお兄ちゃんひとりだけ。いったいどういうことなのかな??
部屋の難点としては暖房設備がなかったので、まだ9月中旬だというのに朝方などはとても冷えた事です。逆に言えば個人的に辛かったのはその程度です。部屋には掛布団がベッドの数だけ用意されていたので私達は2枚づつ使うことができましたが、もし4人で利用するとなるとひとり一枚づつではかなり寒いと思います。リクエストすれば追加で掛け布団を用意してくれるのかも。
トイレは屋外の集落の道沿いに二つ、簡素な小屋のボットン式があります。トイレットペーパーはありますが、念のため持って行った方が良いと思います。
宿泊は「素泊まり」「朝食付き」「朝食夕食付き」「朝食ランチ夕食付き」で料金が異なって来ます。ランチは頼んでいないのでわからないのですが、朝食はお兄ちゃんが作る目玉焼き二つとビスケットとパンです。夕食の準備だけはおじさんが加わってまぁまぁ美味しいのが出て来ました。何人かのゲストは食事は付けずに持ち込んだカップ麺(お湯はもらえる)をすすってました。他の宿を覗いてみると女将さんがいて美味しそうなスープなんかも作ってるんですよね。この宿には女将さんがいないのかな??
お楽しみの温泉ですが、これはやや熱め源泉がふんだんに掛け流され素晴らしいものでした。訪問時に「24時間入れるよ、夜中もOKだよ」と言ってはいたけど各湯小屋は施錠され利用のたびにお兄ちゃんに鍵を借りるので24時間というのは不可能でした。それでも二日間のうち7回は入浴したかな。鍵を借りにいくと最初は兄ちゃんが「えー、また?」なんてビックリした顔していたけど、最終的には何か奇異なものを見るような怯えた眼で私達を見ていたような気が。
肝心の温泉は川沿いに1~6番まで番号の書かれた素朴な湯小屋が点在します。宿所有の湯小屋は1~4番までです。4番湯小屋後ろにある広めの湯小屋(おそらくこれが5番)は、売店も営む隣のゲストハウス所有、川沿いにある6番湯小屋は川向うのゲストハウス所有だと思います。いずれもハッキリ確認したわけでなく、それぞれの宿泊客が利用していたのでそう判断しました。訪問時は湯小屋に電気はなく夜間入るにはヘッドライトが必要でした。
最初に利用したのは「2番浴室」です。宿のお兄ちゃんに鍵を借りて小屋へ向かいます。中に入ると目の前に脱衣所と長椅子とフックがありココで脱衣します。隣には浴室があってなみなみと湯を満たした浴槽がありました。浴槽は草津温泉の共同浴場のように青くコーティングされたコンクリ造りの6人サイズ、鉄管湯口から熱い源泉が浴槽内直投入され当然のように掛け流しです。無色透明の湯は体感42℃~43℃ほどで日本人好みです。焦げタマゴ臭のするニュルスベ湯で鮮度もよく、これを嫌いな温泉マニアさんはいないと思います。木造湯小屋の雰囲気もあいまって日本の鄙びた温泉場にいると錯覚してしまうほどでした。
次に入った「1番浴室」は2番浴室のすぐ隣です。同じく青コーティングされた5人サイズ浴槽がひとつあり、2番浴室と同じと思われるツルツル感強めの熱い源泉がたっぷり注がれ、体感で45℃ほどになっていました。この温度では長湯は無理ですがこの浴槽では湯口から直に源泉に触れられます。
「3番湯小屋」は1・2番湯の湯小屋から少しだけ川沿いを上流へ歩いた場所にあります。より鄙びた湯小屋で内部は素朴なコンクリ浴槽がひとつ。湯温は適温で1・2番浴室で感じられた焦げタマゴ臭はほとんど感じられません。湯温がそれほど高くないので、のんびり湯浴みするには丁度いい感じでした。
3番湯小屋のすぐ横には同じく鄙びた「4番湯小屋」があります。こちらの浴室内も3番と同じく鄙びたコンクリ浴槽に無色透明の適温湯が掛け流しです。浴室内にはこれまでの三つと違って何やら髭剃りなどの私物もあり、誰かが自家風呂として使っているような雰囲気があります。と思っていたら地元の男性が馬に乗って入りに来ました。この4番湯小屋は地域の共同湯も兼ねているのかもしれません。
湯小屋がいくつもあり温泉マニア的には嬉しいですが、全室入り潰しのマニア以外は朝やトレッキング後にひとっ風呂浴びるだけだと思うので、どこか一か所と言えば湯温が丁度よく宿泊棟からも近い2番浴室が良いと思います。やや鄙び度が増しますが同じく湯温が丁度いい3番・4番もおすすめ。1番だけは草津の万代鉱並みの熱さですが、鮮度重視の熱湯好き温泉マニアさんには逆におススメです。
アラコル湖トレッキングを挟み2泊した後、再び徒歩で登山口へ戻る途中、川沿いの露天風呂でも少しだけ遊んでみました。露天風呂はアルティンアラシャン集落の一番登山口側の宿ななめ後ろあたりの川沿い、下流に向かって点々と点在しています。露天風呂に沿って細い小道が作られているので比較的容易に見つけられると思います。
各露天風呂はこぢんまりとしたかわいいもので、ハート型やカエル型などユニークな造りになっていました。お湯は全体的にぬるめで、川沿いというかほとんど川の中に造られている状態の浴槽もあり丸見え状態でワイルドです。
一か所だけ入浴中の姿が見えずらい岩の上にある露天風呂があったんですが、二人組の若いお嬢さんが湯浴み中で「最高よ、いらっしゃいよ」と満面の笑顔で手を振ってきたんですが、シャイな日本人の我家は手を振り返すだけで慌てて逃げるように退散。その後Takemaさんから露天風呂はここが一番いいと聞いて「ショックっ!」となりました。
(三昧&まぐぞー・2019年9月)
▼よく整備されて歩きやすいコースです
▼お馬さんこんにちは
▼牛さんもこんにちは
▼お次はヒツジ軍団
▼アルティンアラシャンが見えてきました
▼アラシャントラベルゲストハウス
▼宿泊した部屋
▼部屋からの眺め
▼食堂
▼朝食
▼夕食
▼食事中に必ず出現
▼圧が・・・
アルティンアラシャン温泉
▼湯小屋です
▼2番浴室
▼1番浴室
▼湯小屋の外は・・・
▼こんな景色が広がる贅沢
▼川向こうの宿が使っている6番湯小屋
▼3番・4番湯小屋は少し上流(左の小屋)
▼3番・4番湯小屋
▼3番浴室浸かった様子
▼湯口
▼切り込みから外へ排湯されます
▼衣類はフックに掛けます(湿度が凄い)
▼4番湯小屋
▼4番浴室
▼3番・4番湯小屋近くにある温泉湯だまり
▼これが5番湯小屋かな?
アルティンアラシャン露天風呂
▼ハート露天風呂
▼カエル?
▼内部の浴槽
▼これもカエル?
アラコル湖
▼一部の温泉マニアを除いてアルティンアラシャンの目的はこちら
▼アラコル湖トレッキングです
アルティンアラシャン温泉 アラシャン トラベル ゲストハウス(Arashan Travel Guest House) データ
キルギス・アルティンアラシャン
→Googleマップでみる
2021年9月時点でGoogleマップに登録されていなかったのでお宿の位置にピンを付けました。
maps.meには載っています。キルギスやタジキスタン(特に温泉)はGoogleマップよりmaps.meが強い気がします。
Wi-Fiはもとより通話・通信共に圏外
宿泊しました:一泊二食温泉入り放題ひとり1000スム
湯小屋の外来入浴1回200スム
川沿い露天風呂無料
登山口まではカラコルのビッグバザールから350番の乗合ミニバスでひとり30スム。所要時間約25分。
→ビッグバザールのミニバス(マルシュルートカ)乗り場をGoogleマップでみる
訪問:2019年9月(2泊)