安楽温泉 佐藤温泉は閉館しました
鹿児島空港から車で20分ほどの場所、R223沿いにある湯治場の安楽温泉にある完全湯治宿の佐藤温泉さん、通りがかりに立ち寄りさせていただいた。宿の看板がなければ普通の二階建て民家にも思えます。声をかけてみると呼べど呼べど返事なし状態で、はじめは5分ほど粘ってみましたがやはり返事はなし。またの機会にと思い帰ろうとすると、おばあちゃんが出て来て下さり立ち寄りok。「ご一緒に入られますか」というのでそうすることに。「おひとり300円です」、2人で600円で貸切利用できた。
入口から階段を上がり二階に上り切らない中二階的な位置に脱衣所がある不思議な造り。内鍵をして貸切利用するシステムのようだ。注意書きで「多くのお客様がご利用できるよう、入浴は一時間以内。。。」と掲示があった。浴室に入り全体を見回すと、造りは独立した湯小屋になっている。天井は高く湯気抜きもバッチリ、サッシ窓も全開になっていて換気良好だ。
浴槽内は浅めゾーンが全体の四分の一、他が通常の深さゾーンだ。浴槽のおよそ中央箇所には見事に温泉成分で茶色に染まった、山に見立てた湯口ならぬ湯山がありました。湯山のピークからは火山噴火を想像させるように、温泉が天井方向に向けて吐き出されていました。10人サイズの広さの浴槽に薄く茶色、湯表面が白っぽい微濁湯が並々と満たされています。多少湯にこなれ感がありますが、浸かりやすく約42℃ほどで湯浴みができました。浴槽まわりの湯が触れる箇所には土類成分の析出でコーティングもされていました。
(三昧・2016年6月)
天降川に沿って走る国道に面した昔ながらのお宿です。鄙びた湯治宿といった風情ですが、訪問時はやっているのかいないのかよくわからない雰囲気で、玄関から声をかけるも応答なし。「休みかな?」と帰ろうとすると、後ろからお婆ちゃんが出てきました。見ると綺麗な恰好をされていて、もしかするとわざわざ着替えて出てこられたのかな?とも思いました。お風呂に入りたいことを告げると、裏手にある湯小屋へ案内されます。中へ入ると大きな浴槽がひとつあり、どうやらここを貸切利用するようです。
鄙びた風情のマニア好みしそうな浴舎には10人サイズ浴槽がひとつ。浴室全てが浴槽のような造りで圧巻です。浴槽中央には火山をイメージしたような噴水状の湯口がひとつあり、適温に加水された源泉がジャカジャカと注ぎ込まれ掛け流されています。ほんのり茶色がかっても見える貝汁濁りの湯は重曹の甘味と土類、金気が複雑に絡むもので、弱い炭酸感も感じます。浴槽が広い分スルスルとしたこなれ感はあるものの、湯汚れなどはなく気持ちよく浸かれる湯です。浴槽の一部は寝湯になっていたり、セルフで打たせ湯を稼働できたりといったお楽しみも。なによりお湯が良くここは気に入りました。
今回利用した貸切湯の他に男女別の浴室もあり、そちらも昔ながらの鄙びた湯小屋風情でかなり良さそうでした。次はこの男女別にも入ろうと思っていたのですが、なんと今回の訪問の後に廃業されてしまったとの事です。うーーん残念!
(まぐぞー・2016年6月)
▼通りから見た佐藤温泉
▼貸切湯掲示
▼貸切湯
▼別の角度から
▼天井が高いです
▼湯口
▼排湯管
▼自由稼働の打たせ湯もあります
▼こちらは男女別(男性浴室)
安楽温泉 佐藤温泉は閉館しました
安楽温泉 佐藤温泉 簡易データ
鹿児島県霧島市牧園町宿窪田4151
9時~20時
男女別200円・貸切(1時間以内)300円
訪問:2016年6月
安楽温泉 佐藤温泉 温泉分析概要
安楽1号 ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉 53.8℃ pH=6.3 溶存物質計=1385mg Li=0.5mg Na=150.6(42.94mv%) K=23.5 NH4=0.3 Mg=43.0(23.19) Ca=88.6(28.98) Ba=0.3 Al=0.2 Fe2=0.8 Cl=76.2 Br=0.2 SO4=49.7 NO3=2.3 H2PO4=0.2 HCO3=732.2(78.81) H2SiO3=204.9 HBO2=11.1 CO2=220.1 (H20.11.21) ※温泉利用状況=源泉温度が高いので加水あり