岩倉温泉

県道30号沿いに佇む温泉宿の「岩倉温泉」です。受付ロビーから眺められる庭園にある池には見事な鯉がうじゃううじゃといました。お風呂は男女別の内湯が一つずつ。当日はチェックアウト後だったので入湯客は誰もおらず貸切り状態で湯浴みする事が出来ました。

お風呂はなんにも飾りないタイル張りの7-8人が入れる浴槽です。男女の浴室の境に湯口が一つあり、そこで男女の浴槽が繋がっていました。湯口は龍を型どった面白いもの。約10L/minほどの投入で浴槽では体感43℃。個人的な感想ではもうちょっと源泉を入れて欲しいかな。肝心の湯は無色透明、明瞭な塩味、苦味、ギシギシした浴感。浴後は肌がベタベタしてきます。非常に温まる湯で浴後は汗が引きません。

湯元は浴舎の軒下から湧出しているとの事。湯量が豊富なためかシャワー&カランにも温泉を利用していた。また、女将さんの話しによると「最近は濾過循環器の販売会社の営業マンが売り込みにくるのよ」。しかしそんなもんは不必要と断っているとの事。白骨温泉の入浴剤事件を発端に始った昨今の温泉騒動。女将さんはとんでもなく呆れている様子でした。
(三昧・2004年8月)


どこか懐かしい長閑な景色広がる南外村の一軒宿です。岩倉温泉の佇まいは、新しくもなく古くもなく、昨今流行りのコテコテ民芸調でもなく、静かに真面目に淡々と四季を刻む温泉宿という印象を受けました。温泉自体は1647年には湧出記録が残り、明治の頃より「湯元温泉」「梅の湯」と名を変え、そして昭和32年より現在の「岩倉温泉」と名乗るようになったとの事。訪問時はチェックアウト直後だった所為か、館内にお客さんの姿はひとりもありません。あまりに静かです。

浴室は男女別に内湯がひとつづつ。タイル浴槽がひとつだけという実にシンプルなものです。男女の仕切り壁が途中で切れているので、一番端から頑張って覗き込むと相手の浴槽が見える感じです。湯はごくごく薄白濁りのある無色透明。男女の仕切り部分にある龍の湯口から滔々と流し込まれています。コップが置いてあったので飲んでみると塩苦味でした。見た目はなんて事ない適温の透明湯なのですが、これが大変な重い湯で、キシキシ感もあるドンと来るもの。カルシウム感を肌でヒシヒシと感じます。湯上がりは大変疲れる湯で、発汗も凄く、ベタ感もあります。備品はシャンプー、ボディソープ。

岩倉温泉には建物に囲まれるように立派な鯉池があるのですが、沢山の大きな鯉に混じって、どう見てもその辺の川魚が素早く泳ぎまわっています。女将さんによると鯉池には常に川の水を引いていて、それに混ざって川魚がやって来るそう。更に夜になると鯉達を狙ってイタチまで来るらしいです。
(まぐぞー・2004年8月)

▼男性浴室

▼湯口

▼女性浴室

▼鯉&謎の川魚

▼浴後に一本購入しました

岩倉温泉 簡易データ

秋田県大仙市南外字湯元1
10時~19時
400円
訪問:2004年8月

岩倉温泉 温泉分析概要

ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉 60.0℃ pH=6.4 700L/min 溶存物質計=4340mg K=6.0mg Na=907.2(56.26mv%) NH4=0.2 Ca=599.2(42.64) Mg=2.3 Fe=0.8 Al=3.3 Cl=1756.1(70.64) F=0.9 SO4=948.8(28.17) HCO3=47.8 HBO2=18.9 H2SiO3=47.6 CO2=3.2 (S32.11.29)