函館へ向かう途中、国道から横道に入った見市川沿いにある見市温泉に立ち寄りました。地元名産のアワビを味わえる観光宿泊はもちろん、ゆったりと湯治滞在も可能な一軒宿です。二階建ての外観は派手さとは無縁でどちらかと言えば湯治宿といった印象を受けました。ちょうど訪れたのは夕刻の時間帯、仕事を終えて宿に戻ってきたような感じの方々がいらしたのでビジネス需要もあるようでした。
入浴料金を支払い受付終了。浴室内に入り左手にはカランシャワーの洗い場スペースが、右手方向にはガラス窓があり外の景色が見渡せます。床の一部分は温泉析出物により茶系に変色しています。
横長い形の浴槽は8人ほどが浸かることができる大きさです。岩石湯口からピョンと突き出た塩ビ管より湯の投入があります。湯口周りはクリームやら茶系やらの析出物がこってりと付着。重曹の甘味と薄っすらと塩っけを感じる温泉です。浴槽を満たしているお湯は緑黄土色濁り、体感43℃ちょいのコンディションです。湯面スレスレの部分に塩ビ管の排湯口の設置があってオーバーフローされていました。
そのままドア向こうの露天風呂へ移動します。内湯同様に浴槽周りには析出物によるコーティングが施されておりました。見市川を眼下に望める露天岩風呂で雰囲気は良いです。湯舟縁には溢れ出るお湯の道があって、そのまま川へ流れ込むようでした。この露天風呂、屋根もなく開放的な感じでいいです。お湯も緑黄土色で鉄錆臭がします。掛け流しで温泉が使われていてココは気に入りました。宿泊も良さそうな感じがするお宿です。
(三昧・2018年9月)
国道277号から枝道に入り森林に囲まれた中を行き止まりまで進むと突如現れる一軒宿です。なんだか随分と山の中の秘湯に来てしまった感じがしますが、実は海にも近い立地です。湯治宿風情のある飾り気のない素朴な佇まいのお宿で、立ち寄りも快く受けていただけました。
女性浴室には内湯と露天風呂がありました。内湯には10人弱サイズ浴槽がひとつあり、薄黄土濁りの湯が適温で静かに掛け流されています。湯口より一口含むと甘味と薄い塩気のある湯で、浴槽の縁や湯口付近には析出物が層のように付着し、目にも楽しい温泉です。
内湯から続く露天風呂は、目の前に川が流れ、その向こうには深い森が広がり、自然豊かな北海道を感じられます。5~6人サイズ浴槽には内湯と同源泉と思われる湯が、ややぬるめ寄りの適温で掛け流されています。浴槽底にはパウダー状の湯花が沈殿し、手の平やお尻が鉄さび色に染まります。浴槽周囲も温泉成分により千枚田が作られつつあって、数年後が楽しみな感じでした。こちらの温泉は湯の良さはもちろん、なにより大自然に囲まれた立地が素晴らしいと思いました。宿泊して朝や夜にこの露天風呂に浸かってみたいなぁ。
(まぐぞー・2018年9月)
▼見市温泉 外観
▼見市温泉 館内
▼見市温泉 男性内湯
▼湯口
▼排湯口
▼見市温泉 男性露天風呂
▼露天風呂浴槽
▼湯口
▼溢れ出し
▼露天風呂からの眺め
▼見市温泉 女性内湯
▼内湯湯口
▼見市温泉 女性露天風呂
▼溢れ出し
見市温泉旅館 データ
北海道二海郡八雲町熊石大谷町13
01398-2-2002
※9時~21時
※立ち寄り入浴時間の変動あり・訪問前に現地に問い合わせされた方が無難
500円
訪問:2018年8月
見市温泉旅館 温泉分析
1号井戸と2号井戸の混合井 ナトリウム-塩化物泉 59.8℃ pH=6.4 110L/min(自然湧出) 溶存物質計=4.667g Na=1083mg(67.68mv%) K=230.5 Mg=31.5 Ca=278.2 Mn=0.6 Fe2=3.3 F=0.3 Cl=2006(80.60 SO4=58.7 HCO3=755.5 H2SiO3=162.7 HBO2=57.1 CO2=439.3 (H20.6.23) ※温泉利用状況=掲示確認できず