アルメニアの温泉|ハンカヴァン温泉(Hankavan Thermal water baths)

エレバンの中心地から80kmほどの所にある「ハンカヴァン温泉」です。訪れたのは1月中旬の寒い時期で、事前情報では温泉はぬるいというので冬場にはどうかな、と心配しつつも向かいました。到着してまずは温泉施設が営業していることに一安心です。せっかくここまで来てまさかの冬季休業なんてことではガッカリです。駐車場には車も7-8台ほどあり盛況のようです。

カッサ(受付)のお兄さんに「温泉に入りたい」と伝えると片手で5を示してきます。一時間で5000AMDとの事で支払い後、おばちゃんが個室に案内して下さいました。ハンカヴァン温泉は貸切風呂のみのようで、パッと確認すると複数の部屋があるようです。

利用した部屋番号は4番。我家が利用したことで全ての部屋が満室となり、ギリギリセーフで最後の一室に滑り込むことができました。その後も車が複数台駐車場に来て順番待ちまで発生し、どうやら大人気温泉施設のようです。訪問日が日曜日だったからかもしれません。

室内に入ると目の前には薄い黄土色の湯をたっぷりと満たした浴槽があり、アルメニアでこの光景を目にして思わず興奮してしまいました。浴槽は石造り、7-8人サイズの広さがあります。湯口代わりの太いパイプからは常に源泉と思われるお湯が浴槽へと投入され続けていました。体感で約43℃ちょいの湯で、およそ40L/minほどの投入湯量があります。口に含むと明瞭な甘味に薄塩味、弱く苦味もあって炭酸も結構なほど含有していると思われます。浴槽内では約39.5-40℃ほどはあるので冬場でも浸かり続けていると何も問題はない湯温です。お湯に浸かりながら上を見上げると一部屋根掛けされている半露天の造りで、外気には触れることができました。

個室内の設備としてはメインの温泉浴槽の横に脱衣所スペースがあり、ちょっとしたテーブルと椅子がありました。テーブルにはアルメニア語で書かれたメニューもあったので湯上り後などに飲食もできるようです。ただ個室内は屋根がない半露天になっているので、今回のような冬場は椅子もテーブルも薄氷が付いていて座っていられません。もちろん、暖房設備はありませんでした。ですので、常にお湯に浸かっていて制限時間前になったら着替えてすぐに出る、という流れになってしまいます。

浴後は敷地内を少しだけウロウロしてみました。座って休める食堂らしき場所もありましたが、食事ができるかどうかは詳細は利用していなので分かりません。
(三昧・2020年1月)


ハンカヴァン温泉は旅行者の間では一番知名度はあるものの車がないとちょっとアクセスが難しいです。私たちはエレバンの中距離ミニバスが発着する幾つかのバスステーションに足を運んで聞き込みを入れたんですが、公共交通機関だけで行く方法を見つけられませんでした。もしかすると夏場などの行楽シーズンにはあるのかなぁ?もし「見つけたよ」という方がいれば、教えていただけると嬉しいです。

この時のアルメニアの皆さんはとても親切で、何人か集まって真剣にルートを検討してくれたり、バス会社のスタッフが電話して確認してくれたりとてもよくしてくれました。アルメニア人って一見すると男性も女性も不愛想に見えますが、実は親切で気さくな人が多いです。

そんなわけでタクシーを拾ってやってきたハンカヴァン温泉です。ハンカヴァン温泉は数部屋の個室で構成される家族湯主体の温泉施設です。今回訪問した日がたまたま日曜日だからか、到着してみるとなんと全室満室!タイミングよく一部屋空いたので、なんとか待ち時間なく利用できました。ちなみに私達が退出後も「待ってました」と言わんばかりに次の入室があり、かなり人気のある温泉ということがうかがえます。

扉を開けるといきなり天井が吹き抜けの半露天浴室がドーンとあり、その奥に完全に屋根掛けされた着替えスペースと簡単な食事もできる椅子とテーブルが置かれています。訪問時は真冬だったので天井やテーブル、床にも氷がつき、足下はツルツル、天井からはツララのかけらがパラパラと落ちてくる、ちょっと注意が必要な状態でした。

浴室には楕円形の7~8人サイズ浴槽がひとつあり、外から伸びる太いホースにて源泉をドバドバと投入していました。源泉は源泉井からくみ上げた湯を浴舎外の貯湯タンクを経由して各浴室に分湯する仕組みで、より貯湯タンクに近い部屋はもう少し湯温が高いとみました。投入量は浴槽サイズにして充分量あり、溢れ出た排湯は外の側溝を流れ川に捨てられています。ちなみに浴室には湯桶などがなかったので、掛け湯用に持参すると便利と思います。私達は湯めぐり用にインドで買った手桶をいつも持参します。

さっそく見事な黄金色の浴槽湯に浸かってみると、心配していたほどの「ぬるさ」ではなく、「ややぬるめの適温」といった感じで冬場でも十分楽しめる印象でした。また浴槽は結構深さがあり、158cmの私が立って丁度顎の下あたりに湯面が来る感じです。浴槽底には玉砂利が敷かれ足裏が心地よく刺激されるのもいいです。

湯の第一印象としてはかなり炭酸感があり、源泉投入時の湯面に湧き上がるシュワシュワとした気泡に加え、湯中で移動すると数秒遅れて湯に溶け込んだ炭酸が発泡し甘い重曹臭と土類系の香りとともにシュワシュワと湧き上がってきます。源泉を口に含むとハッキリとした炭酸感に加え強い重曹の甘味、そして塩気と土類感があり、この複雑な湯の印象はマニア好み間違いなしと感じました。一時間たっぷりと温泉を楽しんで、湯上り直後は半露天という構造上若干の肌寒さを感じるもののすぐに体がポカポカとし、冬でもまったく問題なく楽しめる湯でした。
(まぐぞー・2020年1月)

▼エレバンの中心地からタクシー利用しました

▼アルメニアは昔の車が元気に走っています

▼ハンカヴァン温泉に到着しました

▼ハンカヴァン温泉 外観

▼猫が出迎えてくれました

▼何かを訴えている

▼受付はこちら

▼利用した貸切浴室(扉を開けるといきなり浴室です)

▼湯口と浴槽からの眺めを動画でどうぞ(音が出ます)

▼湯中で動くと泡が湧きます

▼排湯は外へ(析出物こってり)

▼浸かった様子

▼浴槽からの眺め(袋田の滝?)

▼天井が一部開いていて半露天状態です

▼脱衣スペース

▼テーブルが凍ってます

▼メニューもありました

▼各部屋から捨て湯がバンバン出ています

▼湯は椅子とテーブルの下を通って・・・

▼川へまっしぐら

▼温泉よサヨウナラ~

▼川はキンキンに凍っています

▼夏は水が入る??

▼これが源泉井でしょうか

▼貯湯タンクに送湯され

▼各浴室に配湯されます

ハンカヴァン温泉(Hankavan Thermal water baths) データ

アルメニア・ハンカヴァン
Googleマップでみる
4号室利用1時間5000ドラム
訪問:2020年1月