石和温泉 深雪温泉

石和温泉に軒を連ねる部屋数15室の和風温泉宿。「完熟の湯」という温度の異なる自家源泉2本を所有する。その豊富な湯量を生かした風呂がご自慢ということだ。建物の正面玄関横には源泉を汲むことが可能で、そのまま持ち帰りもできるようだ。訪問時も近所の人が汲みに来ていた。浴室は「柿の湯」と「桃の湯」の趣向と大きさの異なる二種類がある。立ち寄り可能時間帯では男性が小浴室「柿の湯」、女性が大浴室「桃の湯」になる。19時に男女入れ替えになるので、宿泊すると両浴室利用が可能。

受付時に「温い方の源泉が故障につき、熱めです」との案内が告げられた。内湯空間は湯気がモウモウに加え、熱気もこもり気味。青石造りの長方形浴槽は7-8人サイズの広さがある。湯船の両端には湯口があるが、片方からは湯がちょろちょろのみ。こちらが温い方の源泉湯口なのだろう。浴槽温度は44℃オーバー、告知通りの熱め湯でした。湯は無色透明、ちょいキシキシ感がある。あまり長くは浸かっていられないので、露天風呂へ向かう。

露天風呂浴槽は石板張りの6-7人サイズの造り。屋根がけありの周囲は目隠し塀があり眺望などはない。ただ内湯で火照った身体には冷たい外気が心地良い。湯は僅かに黄色がかったようにも見える。すり鉢のような石湯口からは、およそ源泉30L/minを浴槽投入。入浴時はポンプ故障の修理をすぐ裏手で実施していた。修理完了したのか、石湯口からは気泡と共に黒色、茶色などの湯華が大量に出てきて湯船へとドボンドボンと落下していく。浴槽端の切り込みより溢れ出しての掛け流し。内湯・露天風呂共に、熱い源泉と温い源泉の投入湯量調整による温度コントロールをしているということでしょう。
(三昧・2013年2月)


石和温泉にある中規模の観光旅館です。所有の自家源泉がご自慢のようで、玄関先には「完熟の湯」と書かれた提灯が下がり、竹筒より常時源泉が流れ落ちるオブジェも作られています。館内は宿泊客がいない為か照明が消されやや暗め。その暗さと同じくらいテンションの低い受付の方が、「只今ぬるい方の源泉が故障中でして、お風呂が熱くなっていますが・・」と仰います(おそらく源泉トラブルで元気が無かった様子)。熱い湯は好きなので、そのまま入らせていただく事にしました。館内には男女別に大浴場がひとつづつ。その他に貸し切り風呂もありますが、立ち寄りでも利用可かは不明。

脱衣所を抜けると先ずは内湯ですが、ベージュをベースとした落ち着きある雰囲気で、20人は入られそうな浴槽がひとつあり、ごく少量の茶色い糸状湯花が舞う無色透明の湯が、ザワザワと惜しげもなく掛け流されています。この光景を見ただけで思わず興奮。浸かってみると熱めの湯は、ほんのりタマゴ臭がするもので、弱いツルスベ感があり、鮮度的にも申し分なく大変気持ちの良いものです。浴槽には横並びで二つの湯口があり、片方からのみ「熱い源泉」が出ていました。おそらくもう片方が、受付の人が仰っていた「ぬるい源泉」で、両源泉を混合する事により浴槽内を適温にするのだと思います。

続く露天風呂も20人は入られそうな広さがあります。やはり湯口は二つあり、湯使い的には内湯と同様かと思われます。こちらは外気の寒さで湯温が冷まされ適温となっていました。

再び内湯に浸かっていると、外から「直ったぞーー!」という大声が聞こえ、それまでストップしていた「ぬるい湯口」から源泉がドバッと流れ始めます。と同時に、それまで蓄積された海苔の佃煮状&溶きタマゴ状の黒い湯花がドドドッと大量に浴槽に流れ込み、広い浴槽はアッという間に濁り湯に変身。一緒に入っていた一般のお客さんは「ナニコレーー!」と怯えてましたが、温泉マニア的には貴重な体験ができてニンマリでした。ちなみに「ぬるい源泉」は、ごく僅かに茶色がかった、ほんのりタマゴ臭の良泉でした。
(まぐぞー・2013年2月)

▼玄関前の源泉

▼「柿の湯」露天風呂

▼湯口

石和温泉 深雪温泉 データ

山梨県笛吹市石和町市部822
Google Map
055-262-4126
10時30分~14時(受付13時)・15時~19時(受付18時)
※日によって変動・立ち寄り不可日あり
1000円
訪問:2013年2月

石和温泉 深雪温泉 温泉分析

完熟の湯 単純温泉 48.3℃ pH=7.1 633L/min 溶存物質計=?(分析書掲示は見当たらず。記載数値のみ脱衣所に表示あり。)※温泉利用状況=全ての項目において該当なし



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