地域の共同浴場「三瓶温泉 亀の湯」です。男女で浴舎入り口が異なる造り。入るとさらに男女別の入口と無人番台があり料金箱に現金を支払います。レトロな浴舎、昔ながらの脱衣所、味のある素晴らしい浴室がここにはありました。
浴室中央に6-7人サイズ、楕円形のい石造り浴槽がポツンとあります。中央には土管が湯面上に突き出ていて、そこから30-40L/minもの源泉を湯舟へ吐き出しています。湯に浸かる前は薄い黄土薄濁りでしたが、湯に浸かると攪拌されてオレンジ色?鉄サビ臭に変わりました。湯口にて口に含むとダシの効いた弱塩味、弱く炭酸を感じギシギシとした浴感があります。浴室には浴槽投入兼洗い場用としてもう一本の塩ビ管湯口もあり、パイプの脱着にて用途を切り替える仕組み。ここからも約20Lminほど吐き出されていました。
まぁ、湯がどうこうはさておいて静かに目を瞑って湯に浸かり、たまに湯舟周囲の温泉析出物による変色具合を眺め楽しみながら湯浴みを楽しみました。約36-37℃と温いですが次第にポカポカと温まってきます。極上の湯です。
(三昧・2018年9月)
三瓶温泉へ向かうと山側と町側へ道がわかれるのですが、鶴の湯が山側にあるのに対して、亀の湯は町側にあります。商店や民家の並ぶ細い通りに面した場所に鄙びた湯小屋はありました。玄関前になにやら掲示があったので見てみると「地震により被害が出たため利用は自己責任で」といった内容になっています。そういえば少し山側に上がった鶴の湯周辺も、あちこちの家屋に黄色やピンクの被害状況を示す紙が貼られていました。
亀の湯は管理人さんはなく、料金箱にお金を投入するシステムです。鄙びた外観にワクワクしながら扉を開けると、使い込まれたタイル浴室中央に7人サイズの小判型浴槽がひとつあります。浴槽中央より突き出た噴水のような湯口より無色透明の非加熱源泉が滔々と流し込まれ掛け流されていました。時間帯によって加熱湯になるそうですが、訪問時はまだ非加熱で個人的にはラッキーでした。
浴槽湯は薄黄土濁りとなり、浴槽内を動くと底からモワモワとオレンジ色の粉状湯花が舞上がり、よりいっそう色味が濃くなります。見ての通りのギシギシとした硬い湯で、湯口より一口含むと甘味と炭酸味が突出しています。浴槽の外には掛け湯用なのか、筒より流れ出た非加熱源泉がジャバジャバと垂れ流しになっていました。湯温は9月の終わりのこの時期では人肌より冷たく感じますが、ジッと浸かっていると不思議と体がホカホカとしてきます。また湯上り直後も肌寒さを感じるのですが、温泉の不思議で少し時間が経つとジンワリとした温まりを感じます。なにより鄙びた風情の湯小屋は今となっては日本全国でも貴重な存在で、いろいろ大変なこともありますが、末永く続いて欲しいと切に思いました。
(まぐぞー・2018年9月)
▼外観
▼浴室入口
▼入浴料金はコチラへ
▼掲示
▼掲示
▼掲示
▼男性脱衣所
▼男性浴室
▼浴槽
▼浴槽メイン湯口と溢れ出し
▼こちらはパイプ管の脱着で浴槽投入か洗い場用かに切り替える
▼女性浴室
▼浴槽
▼浴槽湯口と溢れ出し
▼洗い場用湯口
三瓶温泉 亀の湯 簡易データ
島根県大田市三瓶町志学ロ357-5
9時~21時(加温17時30分頃~)
火曜日休み
200円→300円
訪問・2018年9月
三瓶温泉 亀の湯 温泉分析概要
三瓶温泉1号泉源・2号泉源・3号泉源・4号泉源 ナトリウム-塩化物泉 36.6℃ pH=? 溶存物質計=2.3g Li=0.6mg Na=502 K=48.1 Mg=44.2 Ca=198 Sr=2.4 Ba=0.3 Mn=1.5 Fe2+Fe3=5.1 F=0.2 Cl=995 Br=3.5 I=0.4 SO4=10.9 HCO3=366 HAsO2=0.7 H2SiO3=192 HBO2=20.7 CO2=220 As=0.5 (H22.7.7) ※温泉利用状況=加温あり