野沢温泉 河原湯共同浴場

野沢温泉の各共同浴場は2019年末頃より撮影禁止となっています。「利用者がいない時であれば撮影は大丈夫ですか?」「撮影許可を得ることは可能ですか?」などいくつか観光協会にお伺いしたところ、浴室内の撮影は不可、外観のみ自由に撮影OKとのことです。ようは利用者の有無にかかわらず浴室内は全面的に撮影禁止、撮影許可もありませんということだと思います。おそらくはいろいろなトラブルがあっての決定だと思われます。※2003年~2017年の過去画像につきましては、使用許可をいただきました。

大湯が混雑していたのでとりあえずこちらへ寄ってみた。大湯とは打って変わってお客さんは居ない。まずは一通り撮影。木沿浴舎でいかにも共同浴場らしい造りです。脱衣所一体型で野沢でよく見る造りですね。天井は高く湯気抜きがあります。

4人サイズ浴槽を満たしている湯色がきれいです。薄い緑色をした湯で見た目からしていい色してます。黒や白の消しゴムカス状の湯華が浴槽内での浮き沈みを確認できました。湯口は岩石湯口からは源泉を、塩ビ+金属部分からは加水用の水もそこそこ同時投入しています。さながら湯温は体感45℃と熱めに調整。湯口上部の壁には加水量調整バルブがありました。湯汚れ感なしと言うより、45℃ともなれば大体どこのお風呂も鮮度が良くなってしまいます。浸かることができる人が少なくなるためでしょう。当浴場に訪れる前に野沢の他浴場に浸かってきた身体なのでまあなんとか浸かることができましたが、加水無しでは無理ですし身体にもよくないかと思われます。
(三昧・2017年9月)


大湯のすぐ近くにある社寺のような和風建築の共同浴場です。観光客のほとんどが大湯に吸い込まれてゆく中、こちらを利用する人は少なく訪問時は貸し切り状態でした。前回訪問時は共同浴場巡りの終盤に訪問したので疲れてしまい、お湯がどうのこうのという記憶はすっかり飛んでしまっていました。なので今回が初訪問のようなものです。

こちらの浴場も野沢温泉で多くみられる浴室と脱衣所の一体型で、石板ばりの洗い場に4人サイズの長方形浴槽がひとつあります。湯口で激熱源泉を投入、その横でほぼ同量程度かと思える水をプシューっと勢いよく投入し、熱めで掛け流しとなっています。湯汚れのない綺麗に澄んだ緑色の湯は、白・グレー・黒の溶きタマゴ状湯花がたくさん舞うもので、火薬を思わせるツーンとした焦げタマゴ臭がプンプン香ります。なんといっても今回の河原湯は鮮度の良さが印象的でした。加水こそありますが、肌に染み入るような心地よさは格別です。美しい湯色にたくさんの湯花、そしてハッキリとした温泉臭、これらが揃った湯を嫌いな温泉好きはいないと思います。前回のカラスの行水を取り返すつもりで今回はじっくりと浸かりこみ、大満足の一浴となりました。

また浴室には浄湯(きよめゆ)と書かれた、人肌よりぬるい謎の湯枡もありました。「掛け湯かな?」と判断したのですが、実際の用途はいかに?
(まぐぞー・2017年9月)

▼外観

▼男性浴室

▼浴槽

▼湯口

▼女性脱衣所

▼女性浴室

▼湯口

▼天井

▼浄湯

▼浄湯浴槽

野沢温泉 河原湯共同浴場 データ

長野県下高井郡野沢温泉村
5時~23時(12月~3月6時~)※清掃時間は不可
寸志
訪問:2003年7月・2006年10月・2017年9月

野沢温泉 河原湯共同浴場 温泉分析

河原湯 単純硫黄温泉 61.2℃ 42.6L/min(自然湧出) pH=8.4 溶存物質計=0.817g Na=177.0mg(74.32mv%) K=3.8 NH4=1.4 Mg=0.1 Ca=49.2(23.75) Sr=0.3 F=1.0 Cl=89.2(23.23) Br=0.3 HS=38.9 SO4=290.5(55.76) HCO3=49.4 CO3=7.2 H2SiO3=102.1 HBO2=6.8 H2S=1.8 (H28.6.9) ※温泉利用状況=撮影画像不鮮明で確認していません

以前の分析

河原湯 単純硫黄温泉(Na・Ca-SO4・Cl) 64.1℃ pH=8.4 溶存物質計=822.2mg Na=151.0mg(68.08mv%) K=6.8 NH4=1.2 Mg=0.2 Ca=56.4(29.12) Fe2=0.4 F=0.9 Cl=77.8(20.26) HS=21.3 SO4=322.6(62.16) HCO3=56.7 CO3=8.4 NO3=0.2 CO2=0.9 H2S=1.0 (H9.12.12)