R232を南下途中に寄り道しようと脇道に入ってそのまま6kmほど進んだところにある一軒宿でもある温泉旅館。鄙び系を勝手に想像していたが、意外にもごく普通の宿でした。立ち寄り営業もしていて、広間完備や食事も可能なのでちょっとした日帰り温泉施設かと思ってしまうほど。宿泊も手頃な料金で出来るそうです。
入浴券を購入して受付を済ませます。脱衣所へ移動すると失礼ながら意外にも新しい施設なのにビックリ。浴室はガラス張りで明るく、清潔な印象を受けます。内湯浴槽は二つあり、利用源泉がそれぞれで異なります。
卵型のような楕円浴槽は5-6人サイズのタイル造り。こちら富士見の湯浴槽には重曹泉が張られています。見た目にもモール泉そのものでウーロン茶色透明の湯です。浸かってみると身体への細かな気泡の付着が相当量あります。ニュルニュルとした浴感が心地良い湯ですね。湯使いについては半循環の塩素消毒あり、弱カルキ臭がするのが残念です。
もう片方の旭の湯浴槽は変形型の7-8人サイズのタイル造り。こちらは見るも鮮やかな薄オレンジ色をした濁り湯が湯舟を満たしています。旭の湯浴槽は御影石造りの湯口があり、無色透明の非加熱源泉が数リッターほど浴槽へ注がれていました。塩味と金気臭味を感じる冷鉱泉でした。但し、こちらの浴槽についても循環併用でカルキ臭の漂う残念な湯使いとなっています。ですが、片方はウーロン茶色でもう片方はオレンジ色の湯、見比べたり浸かり比べたり面白かったです。
更には露天風呂までありました。腰の位置ほどの深さがある立派な歩行浴槽と、10人サイズほどの露天浴槽の二つです。両浴槽は繋がっていてお湯の行き来がありました。内湯同様に湯口からは塩味と金気臭味のするお源泉が湯舟へと注がれていました。浴槽湯は薄オレンジ色濁りですが、内湯と異なりカルキ臭は感じませんでしたね。半循環といった湯使いでしょう。お湯も両者共に個性的で、カルキ臭は気になりますがなかなか楽しめてよかったです。
(三昧・2018年8月)
海岸沿いを走る232号線から971号線へ入り、どんどん山の中へ進んだ行き止まりにある温泉施設です。外観はよくある素朴な宿といった雰囲気ですが、浴場へ行ってビックリ。最近改装でもしたんでしょうか、とても綺麗で新しく雰囲気良しの浴室でした。
浴室は造りの違う「和風」と「洋風」がありましたが、男女入れ替え制になるのかは不明です。訪問時は和風が女性側となっていました。
脱衣所を抜け浴室に行くとさらにビックリ。内湯では鮮やかな黄土色の湯、そして露天風呂では黒湯が利用されていました。先ずは内湯ですが、浴室には7~8人サイズと10人サイズ浴槽がくっつくように並んでいます。そのどちらにも湯口があり、冷たく塩気の強い非加熱源泉が流し込まれていました。浴槽湯は鮮やかに発色するオレンジがかった黄土濁りで、湯の中には鉄錆色の粒状湯花も舞っています。湯面からは鉄錆臭に混ざりカルキ臭も少々。少量ながら常時溢れ出しも見られ、浴槽内で循環しつつ非加熱源泉投入の半循環といった湯使いでしょうか。
続く露天風呂は10人サイズの丸石をあしらった石風呂です。こちらには醤油のように真っ黒な黒湯が適温に加温され利用されていました。湯に浸かると体に細かな泡がビッシリと付着しスベスベとした浴感が楽しめます。湯面には黒湯でよく見られる大小の気泡がブクブクと漂い、泡の中にはトロロ昆布のような湯花も見られました。この露天風呂は循環利用とのことですが、循環湯によくある劣化による嫌な感じもせず、内湯で感じた塩素臭も無し。好みの黒湯ということもあって、湯使いうんぬん抜きにも結構気に入りました。
(まぐぞー・2018年8月)
▼看板
▼外観/休憩室
▼浴室入口/洋風浴室脱衣所
▼えんべつ旭温泉「洋風」内湯浴室
▼黒湯浴槽
▼お湯
▼「洋風」露天風呂
▼露天風呂湯口
えんべつ旭温泉 簡易データ
北海道天塩郡遠別町字旭294番地2
01632-7-3927
8時~22時(受付21時30分)
500円
訪問:2018年8月
えんべつ旭温泉 温泉分析概要
(富士見の湯)E-1,E-3,E-6,E-7の混合泉(源泉槽にて採水) ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉 12.2℃ pH=8.2 溶存物質計=3.217g Na=860.2mg(90.80mv%) K=45.5 NH4=30.2 Mg=8.7 Ca=4.5 Fe2=0.6 F=0.2 Cl=411.7(28.88) HS=0.1 SO4=0.5 HCO3=1684(68.66) CO3=20.2 HPO4=14.5 CO2=92.4 H2SiO3=109.2 HBO2=26.9 CO2=92.4 (H28.4.1)
(旭の湯)旭温泉 ナトリウム-塩化物・強塩冷鉱泉 10.8℃ pH=7.2 溶存物質計=17.48g Na=5698mg(85.15mv%) K=34.2 NH4=16.2 Mg=40.6 Ca=758.8 Mn=0.4 Fe2=6.8 Cl=9660(98.69) S2O3=0.1 HCO3=203.9 CO3=0.2 Br=21.8 I=0.9 H2SiO3=18.7 HBO2=747.6 (H28.4.3)
※温泉利用状況=全ての浴槽にて加温あり・循環ろ過あり・塩素系薬剤の使用あり