巣郷温泉 高原旅館大扇

そういえば巣郷温泉もご無沙汰だったなぁと思い出して通りがかりの温泉宿へ飛び込んでみる。帳場前に女将?がいらして快く対応していただいた。「男湯は一階のそこで、女湯は階段あがって二階だよ。」との事である。

男湯脱衣所はやや生活感あり。ガラス張りの浴室窓の向こうはのどかな田畑が広がる。浴槽は石とタイルを用いた造りで、窓沿いに配置されている。横長の大浴槽は10人サイズほどと、仕切り一つで区切られ湯面下で湯の行き来がある1-2人サイズの小浴槽がある。この小浴槽の湯舟縁には切込みがあってそこからサラサラと湯の溢れ出しがある。

大浴槽端には巨岩があり、そこから塩ビ管が2本突き出ていてその片方からのみ高温の湯が少量のみ浴槽へと流し込まれている。浴槽湯はやや茶色がかったようにも見え、褐色の沈殿物が湯中を浮遊しています。もちろん巣郷温泉の特徴である石油臭もしっかりとしてきます。ただ、あきらかに浴槽サイズからして投入量が少ないので湯なまりが発生気味でした。まぁ源泉が高温なのでそのまま使いではどうしてもこうなってしまうのでしょう。
(三昧・2018年9月)


長閑な地にポツンポツンと温泉宿が点在する巣郷温泉にある一軒です。巣郷温泉の中でも特に立派な建物が目に付く和風旅館です。全体的に年季が入っていていますが、一階は広々とした吹き抜けになっていたり、高そうな調度品などが置かれていたり、昔はざぞや団体客で賑わったのかな、と思える豪華な面影がそこかしこに残っていました。

一階の玄関を入ってすぐのソファーには存在感のある女将が待ってましたといわんばかりの満面の笑みで座っていて、「温泉に入りたい」と告げると「いいよ、入っていきな」と。大浴場は一階と二階にあり、男女入れ替え制か固定かはわかりませんが、訪問時は二階の浴場が女性用となっていました。

年季の入った脱衣所を抜けると広々とした浴場です。浴室に入った途端、巣郷温泉ならではの灯油のような温泉臭がブーンと香ります。大きく取られた窓に沿って15人サイズの横長浴槽があり、端にある湯口から激熱源泉が少量流し込まれています。浴槽サイズからして随分投入量が少ないなぁという印象ですが、高温源泉なので仕方ありません。無色透明ぬるめ寄り適温の掛け流しとなっている湯中には、湯花なのか細かな浮遊物多数。湯はかなり「こなれ気味」となっています。鮮度良好湯を楽しむというわけにはいきませんが、なかなかの温まり感があり冬場の湯治湯としても良さそうでした。

浴後は女将に「まぁ、そこに座りなさい」と言われ、少しばかりお話しタイムです。お話してみても、やっぱり見た目通りかなり存在感のある女傑感満点の女将でした。
(まぐぞー・2018年9月)

▼掲示

▼男性浴室

▼別の角度から/小浴槽

 

▼湯口

巣郷温泉 高原旅館大扇 簡易データ

岩手県和賀郡西和賀町巣郷63地割158-9
0197-82-2300
7時~21時
300円
訪問:2018年9月
 

巣郷温泉 高原旅館大扇 温泉分析概要

巣郷温泉混合泉(巣郷温泉3号泉と秀衡の湯)ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉 73.7℃ 253L/min(掘削動力) pH=8.7 溶存物質計=1.52g Na=429.0mg(86.63mv%) K=5.3 Ca=54.9 F=9.8 Cl=338.1(49.61) HS=0.6 SO4=535.6(49.75) HCO3=66.8 CO3=1.3 Br=0.9 H2SiO3=76.5 HBO2=17.4 CO2=0.2 (H13.9.19) ※温泉利用状況=掲示確認できず(見落としたかも)