鉄輪温泉 鉄輪むし湯

鉄輪むし湯2018年10月

鉄輪には幾度か来ていましたが、今回の蒸し湯は気づいたら10年ふりの訪問でした。今の蒸し湯になってから少なくとも10年は経過しているというのも、時の過ぎるのは早いもんだなぁと感じます。

受付を済ますとまずは浴場で身体を洗うように指示されます。流れにそって身体を洗ってせっかくなので軽く入浴もします。高温源泉のため加水されていますが適温で快適な湯浴みを少しばかり楽しみます。

身体の水気を吹いてから湯浴み着にきがえて蒸し釜へ。毎度、係りの方の指示を仰いで入浴します。セキショウが敷き詰められている釜内部に寝転んで石枕に頭をのせてジーっとします。ジワジワと汗が額を流れてきたなぁと思うと全身の毛穴から汗が噴き出してきます。そろそろキツイなぁと思うと入浴終了の合図を告げに係りの方がいらっしゃいます。

後は浴室で汗を十分に流してから存分に温泉入浴を楽しみます。その後はちょっとした待ち合わせ室のような小上がりスペースでしばし一休みします。いっきに身体にのしかかるような疲労感がどっと押し寄せます。朝風呂として入浴したからには一日の仕事に支障をきたすのは間違いないかと思われます。なんだかんだお気に入りの施設なので通ってしまうでしょう。
(三昧・2018年10月)


「鉄輪むし湯」へは、なんと10年ぶりの訪問です。目の前の「足蒸し」や「むし湯広場」には鉄輪宿泊時に散歩に来ていたので、せいぜい数年ぶりくらいの再訪問かと思っていたところ、実際に鉄輪むし湯の玄関をくぐるのがなんと10年ぶりなのには驚いてしまいました。時が流れるのは早いというか、なんというか。10年ぶりの「鉄輪むし湯」ですが、特に変わった様子はなく前回と同様に朝一番の6時30分に訪問。今日も7時頃にご近所のお坊さんがお経をあげに来られていました。

今回は有料のむし湯用湯浴み着をお借りして「むし窯」の中へ入ります。まずは浴室で体を洗います。その後、むし湯用湯浴み着を着用しイザ窯の中へ。這ってようやく入れる狭い「むし窯」の中はムワッとした温泉蒸気が充満し、中へ入った途端全身が熱い蒸気でジットリとなります。

床にはセキショウという草を乾燥したものが敷き詰められ、それが温泉で蒸されヨモギ饅頭のような香りがムンムンと満ちています。このセキショウの香りが充満した温泉蒸気で体を丸ごと蒸されるワケですが、ほんの数分でも頭からポッポポッポと湯気が出そうになるくらい体の芯から手足の先まで熱々になるんです。

むし窯の中では単に寝っ転がっているだけなんですが、これが結構ヘビーで、むし窯から出た後は疲労感でグッタリ、その日の湯めぐりに影響するので本当は朝一番は避けたかったんですが、入った後に気づきました。

むし窯を出た後は、体についたセキショウを綺麗に取り除き、浴衣を脱いで脱衣所から裸移動できる浴室へと移動します。この浴室の温泉も本格的で、5人サイズの石板浴槽に熱い源泉をチョロチョロ投入、浴槽内で適温の丁度いい湯加減での掛け流しです。ほんのりと茶系に色づいても見える透明湯は、ほのかな塩気があり、湯面からは鉄輪独特の温泉クスリ臭が香ります。チョロチョロ投入ということで湯の状態が不安になりがちですが、ここは本格的に入浴する人が圧倒的に少ないので、比較的良い状態を保っていられるんじゃないのかな?と思いました。

備品もシャンプー、ボディソープ完備、湯浴み着の有料レンタルやタオルの販売もあるので、まさに手ぶらで行っても大丈夫。温泉マニアではない観光客でも気軽に楽しめる鉄輪温泉を代表する施設だと思います。
(まぐぞー・2018年10月)

▼男性浴室

▼浴槽から/湯口

 

▼女性浴室

▼湯口/溢れ出し

 

▼むし湯広場・一遍湯かけ上人様(左)と旧鉄輪むし湯(右)

▼一遍湯かけ上人様

▼足蒸し

 

 

鉄輪むし湯2008年1月

以前の建物は老朽化のため取り壊され、新しく生まれ変わった「鉄輪むし湯」。鉄輪に宿泊しているのなら行かない理由はありません。新しい建物前には誰でも無料で利用できる足湯が設置されています。足湯といってもお湯に浸かる足湯ではなくて温泉蒸気を木箱で囲い、そこに足を入れる入浴法です。浴後は想像以上に足だけではなく全身がポカポカになります。

本題のむし湯はTシャツにパンツで入浴します。訪問時は平日朝方で全く混んでおらず、自分一人だけのむし風呂です。ここでは温泉の蒸気を利用した高温の部屋(お釜)に仰向けでじっとします。10分ほどで係りの方による終了の合図がきます。10分という短時間ですがこれが結構キツイのです。汗が噴出してきて発汗がかなりのものです。体の老廃物がみるみると発汗とともに排出されている気がします。湯上り後は併設の内湯で汗をながします。浴槽は3-4人サイズの広さがあり、利用源泉は金龍地獄源泉。薄っすらとした塩味で旨みダシも効いています。ザブンとひと浴びする短時間入湯が良い。かなりのポカポカ感が持続します。
(三昧・2008年1月)


新しくなった鉄輪むし湯へ行って来ました。「むし湯」は温泉の蒸気を利用した和製サウナのようなものですが、ここ鉄輪のむし湯は一味違います。狭い部屋一面に敷き詰められたセキショウという草と共に一緒に蒸されてしまうのです。この蒸されたセキショウの香りがたまらなく気持ちいいんです。

新しくなった「むし湯」は以前の鄙び系とうってわかって、ちょっとオシャレな和風造り。表には無料の足湯(蒸気を利用した箱蒸しタイプ)もあり、こちらも立派。受付を済ませると館内の男女別浴室へ。各浴室には蒸し湯の番人のオバちゃんが待機。蒸し湯へ入るまでの手順や服装のチェックなどをしてくれます。

そして、小さな扉(四つんばいになって人が通れる位)を開けると・・そこは以前と同じ、セキショウが敷き詰められた暗く狭ーい空間に、温泉の蒸気がムワワーン。建物は新しくなったものの、この「蒸し部屋」の雰囲気だけは変わりません。相変わらず暗く狭い空間にビビリながら蒸される事?分。熱さと湿度でそろそろ息苦しくなって来た頃に、オバちゃんの「はい、出てきてー」という声に救われるようにしてノソノソと這い出て来ました。

その後は、これまた真新しい浴室でサッパリと汗を流します。金龍地獄から引いているという湯は、鉄輪らしく、優しいホワ~ンとした香りのするもの。柔らかな塩風味のほぼ無色透明です。しかし、セキショウ蒸しのインパクトが強すぎて既にヘロヘロな私には、ここで「んー、この湯の浴感は・・」などと湯の観察をする気力は失せていた。そして相変わらず頭からセキショウ臭をプンプンさせながら、フラフラと双葉荘へと戻ったのであります。

すっかり新しく、観光向けになった「むし湯」ですが、受付でオバちゃんがカップ麺をすすったりと、どこかユルイ空気は以前のまま。この和製サウナはクセになります。
(まぐぞー・2008年1月)

▼新しくなった鉄輪むし湯

▼男性むし湯/男性浴室

 

▼セキショウ乾燥室

 

▼足蒸し

▼足蒸し掲示

▼蒸した様子

 

鉄輪温泉 鉄輪むし湯 簡易データ

大分県別府市鉄輪上1組
0977-67-3880
6時30分~20時(受付19時30分)
むし場で着用するTシャツ短パン等を持参してもOK。その場合はレンタル浴衣代はかからない。
500円→510円
鉄輪温泉むし湯旧施設

訪問:2008年1月・2018年10月

鉄輪温泉 鉄輪むし湯 温泉分析概要

■(浴場)別府市有鉄輪泉源外 ナトリウム-塩化物泉 83.4℃ pH=4.1 溶存物質計=4.516mg Li=8.5mg Na=1291.2(88.43mv%) K=178.4 Mg=2.7 Ca=25.9 Fe2=0.3 Mn=0.8 Al=0.1 Cl=1894.3(88.06) SO4=343.5 HCO3=6.1 H2SiO3=689.6 HBO2=71.5 HAsO2=2.7 CO2=19.8 (H21.3.10) ※温泉利用状況=加水あり

■(むし湯)鉄輪蒸し湯 単純温泉 99.5℃ (掘削150m・自噴) pH=5.5 溶存物質計=0.006g NH4=1.3mg(100.0mv%) S2O3=0.2 HCO3=4.9(100.0) H2SiO3=0.2 CO2=33.4 H2S=0.9 (H28.9.27) ※温泉利用状況=全ての項目において該当なし

■(足蒸し)鉄輪蒸し湯(足蒸し)単純温泉 99.5℃ (掘削197m・自噴) pH=7.0 溶存物質計=0.003g NH4=0.1mg(100.0mv%) HCO3=2.2(100.0) H2SiO3=0.5 HBO2=0.9 (H28.9.26)

以前の分析

■(浴室)金龍地獄 ナトリウム-塩化物泉 99℃ pH=4.6 溶存物質計=4370mg Na=1101.4mg(82.43mv%) K=314.4 Mg=3.8 Ca=34.9 Fe2=0.5 Fe3=0.2 Mn=1.0 Al=0.5 Cl=1762.6(86.65) SO4=348.5 HCO3=24.5 H2SiO3=708.3 HBO2=67.8 HAsO2=2.0 CO2=20.3 H2S=0.3 (H18.5.24)※加水あり

■(足蒸し)鉄輪むし湯 単純温泉(Na-Cl) 99.6℃ pH=5.6 溶存物質計=429mg Na=115.0mg(84.03mv%) K=18.8 Mg=0.4 Ca=4.2 Mn=0.2 Fe2=0.9 Fe3=1.4 Zn=0.4 F=0.5 Cl=181.0(86.61) SO4=31.8 HCO3=6.1 H2SiO3=58.8 HBO2=8.5 HAsO2=0.3 H2S=0.1(H18.9.13)