浴室のみならず館内に撮影禁止の掲示があったため、外観以外の画像はありません。
葛温泉にある日帰りもできる温泉旅館の一つ。帳場にて入浴受付、そこから右手に階段を進み左方向に浴室がある。浴室に入るとまずは掛け湯槽がある。右手には洗い場と仕切り一つ挟んで内湯浴槽がある。薄っすらと暗めな浴室に、木造の湯船が中央に配置される。7‐8人は浸かることができそうな広さ。お湯は無色透明、小さい木くずの様な湯華が湯中を舞う。掲示のよると内湯は循環らしいが、当日の作動は未確認。オーバーフローもありカルキ臭はなく悪くはない。むしろ、鮮度まずまずの掛け流し湯と思ってしまったほどである。
露天風呂にも当然浸かってみた。横長で木枠の石造り浴槽がそれだ。裏山の斜面に積もっている雪を眺めながらの雪見風呂となった。石湯口より約25L/miinほどの湯を注ぐ。白く小さな湯華が、湯船内を占拠していると言ってもいいほどの大量さであった。湯面からも香る焦げたようなタマゴ臭が嬉しい。無色透明、弱くスベスベとする浴感。火照りを冷ますため湯から出るとまだまだ寒い外気が心地良かった。
(三昧・2017年3月)
葛温泉にある三軒の宿のうち、他の二軒の湯治宿風情に対して「かじか」は少しお高めで女性好みしそうな綺麗系の宿です。そのためかグリーンシーズンでも紅葉シーズンでもない観光としては中途半端な残雪期の訪問日(3月)でも、これだけ山の中にあるにもかかわらず、ひきりなしに日帰り客が訪れていました。
館内には男女別に大浴場があります。脱衣所を抜けるとまずは内湯です。雰囲気を出すためか薄暗い照明の浴室で、窓からの外光に照らされて7~8人サイズの四角い浴槽が湯気の中にボンヤリと浮かび上がっています。湯口より無色透明やや熱めの湯を流しこみ、浴槽内で循環使用の半循環湯使いのようですが、訪問時は吸い込みが作動している様子はなく、塩素臭も一切なし。柔らかな温泉臭とキシキシとした肌触りのする湯は鮮度も良く、掛け流しとなんら変わりない印象でした。
お次は露天風呂です。露天風呂は目の前に雪景色の雑木林が広がる舞台のような造りで、10人サイズのL字型となっています。こちらには内湯とは異なる源泉が使用されていました。やや熱めの無色透明湯で、湯の中には無数の細かな白湯花が舞っています。湯面からは明瞭なタマゴ臭の香るスベスベとした肌触りが心地よいものでした。
館内全部が撮影禁止なのが残念でしたが、内湯・露天風呂ともに雰囲気のよい浴室だったので公式ホームページでご覧になってください。
(まぐぞー・2017年3月)
▼外観
葛温泉 温宿かじか 簡易データ
長野県大町市平高瀬入2106
0261-22-1310
10時~16時(受付15時)※短縮有
800円
訪問:2017年3月
葛温泉 温宿かじか 温泉分析概要
橋本の湯(源泉にて採水) 単純温泉 72.4℃ 165L/min pH=7.8 溶存物質計=806.2mg Li=0.9mg Na=180.3(84.67mv%) K=14.1 NH4=0.1 Mg=0.1 Ca=18.2 Sr=0.1 F=9.1 Cl=210.2(65.89) Br=0.4 HS=0.6 SO4=10.3 HCO3=143.4(26.11) H2SiO3=201.7 HBO2=16.5 HAsO2=0.2 CO2=47.7 H2S=0.1 (2009.9.28)
元湯1号(源泉にて採水) 単純温泉 87.8℃ pH=7.9 溶存物質計=778.4mg Li=0.8mg Na=168.3(83.47mv%) K=11.3 NH4=0.1 Ca=20.5 Sr=0.2 Mn=0.1 F=13.8 Cl=170.1(55.36) Br=0.4 NO2=0.3 HS=1.1 SO4=10.6 HCO3=175.0(33.10) H2SiO3=190.8 HBO2=14.7 HAsO2=0.2 CO2=51.4 H2S=0.2 ※温泉利用状況=加水あり・内湯のみ循環ろ過あり(2009.9.28)