All Aboutの郡司さんページで高い評価を得ている木屋旅館。ナルホド、足元湧出の浴槽が実に素晴らしそう。そんなワケで、私もいそいそと出掛けてみた。温泉本通りに面する、こじんまりとした和風旅館、ちょっとレトロな雰囲気も漂う。玄関をくぐると女将さんらしき人物が丁寧に出迎えてくれた。「入浴料1000円なんですけど」と、何故か申し訳なさそうに言って来る。前情報を持たぬ私は「げげっ、マジっすか!?マジ1000円ッスか!?」と内心怯んでしまったが、そこはそれ足元湧出の為と、平静を装いホホホと微笑みながら料金を支払った。
女将さんに案内されたのは、男女別の内湯。期待していた足元湧出の浴槽ではなかった。が、まずは湯浴み。5-6人入られるタイル浴槽で、壁に造られた岩のオブジェから湯がダラダラと流し込まれている。湯はスベスベ浴感の無色透明無味無臭、浴室は湿度が高く、ほどなくして大量の発汗、そして体の芯からグッタリしてきた。浴場にはシャンプー、ボディソープ、ドライヤー有り。
さて、「お次はお楽しみの足元湧出風呂だ」と女将さんに訪ねてみると、「ちょっ、ちょっと待っててください」と慌てた様子でどこかに消えてしまった。「私、何か、とんでもない事を言ってしまった?」と思う程の慌て振り。やがて戻って来た女将さんいわく「すみません、他のお風呂は宿泊専用なんです」と言うではありませんか。「じゃあ、見学だけしてもよいですか?」と訪ねると、「家族湯(元湯)ならいいですよ」と言うので見せていただく。階段を下った先にある家族湯は、大きさも雰囲気も良い感じだった。女将さんが目を離した隙に手を入れてみると、お湯はほとんど水状態。
この他に木屋旅館一番のウリであった足元湧出の「手堀りの湯」もあるのだけれど、お湯は浸かってナンボ。見学だけでは絵に描いた餅なので、もういいや、とお宿を後にした。帰り際、女将さんが三つ指ついて「ありがとうございます」実に御丁寧に、こちらこそありがとうございます。
(04年10月)
(まぐぞー)
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