立寄りで一度は訪れた事があり、前々から泊まってみたいと思っていた黒湯温泉。連休のせいか旅館部は満室、お目当ての自炊部は空室ありという事で即予約する。宿へは夕方4時半頃のチェックイン。番頭さんに自炊棟の部屋まで御丁寧にご案内いただく。自炊部は自炊棟の他に離れが二棟あり、こちらの離れはグループや大人数のお客が割り当てられていた。もっぱら少人数客は本棟?に案内されるのかもしれない。
案内された自炊棟は6畳部屋にテーブルと布団のみがセッティングされている。そして目の前の廊下には専用のガス器具が一基置かれている。自炊をされる方はちょっとした調理場もあるのでそれを利用する事になる。調理器具や道具、食器などはある程度揃っていたが、調味料までは無かったような気がする。我家は食材持込の自炊はせず仕舞いで惣菜を買い込んできた。食材を保存しておく冷蔵庫も完備。それと部屋にはコンセントの差込口はないが調理場の片隅にいくつかある。これ何気に大事なのである。
黒湯温泉には数箇所にお風呂が点在しています。知名度の高い混浴露天風呂&内湯、男女別の内湯(女性浴室にだけ露天風呂あり)、そして旅館部の男女別内湯の三箇所です。今回は宿泊でしたのでたっぷりと黒湯を満喫しました。夕方過ぎ頃までは日帰り入浴のお客さんがひっきりなしに訪れて慌しく騒々しいのが現状。静かに湯浴みするならそれ以降がおすすめ。日帰り客も居なくなり周囲も暗くなってきて雰囲気よい。
まずは名物的な存在でもある混浴露天へ。木造の5-6人サイズ浴槽がそれ。かなりの年季が入り、使い込まれた屋根付き東屋風の露天は雰囲気だけは良いです。露天風呂から数メートルの所には湯畑があり、フツフツと湯が湧出しているのを見る事ができます。その湯畑より木枡を通じて引き湯、そのまま浴槽へ注がれているのが分かります。湯は白色半濁、弱タマゴ臭と噴気臭がするものです。湯口にて49℃の源泉を15L/min弱投入の掛け流し、浴槽内41℃。源泉と同時に加水用の塩ビ管もあり、湯浴み客が自由に加水する仕組みになっています。残念ながら源泉だけとはいかない状況です。内湯も併設されていて当然にこちらにも入湯する。露天同様に木造の5-6人サイズの浴槽は同じであります。源泉と同時に加水用の塩ビ管があるのも同じで、加水自由です。43℃の適温に調整されていました。
黒湯温泉のお風呂で一番に鮮度が良かったのは旅館部のお風呂です。自炊部の宿泊でも利用可能だったかはわかりませんが・・。旅館部の浴室はとても狭く感じる造り。というのは、浴室面積の8割を浴槽が占めているのでそう感じてしまうのかも知れない。洗い場スペースはとても狭いものとなっています。2×2.8mの木造浴槽。浴室は電球だったか?の照明が一つのみで薄暗い浴室である。こちらでは薄白濁、噴気臭に弱タマゴ臭とみょうばん刺激臭、弱酸味の湯が楽しめる。45℃の熱め調整されていて浸かり具合もなかなかです。源泉を20L/min弱を投入しての掛け流し。旅館部の湯は熱めなのであまり利用客が居ないのかも知れません。それによって新鮮湯だったのかも。
湯治部の宿泊棟を過ぎ、源泉が湧出している湯畑の先にあるのが男女別の内湯浴舎です。脱衣所の隣に浴槽が位置している造りで1.7×3.5mの木造内湯がそれです。お宿に到着してすぐに利用してみましたが、かなりの量の加水があり温度は39-40℃とぬるめ。湯治部宿泊者でやはり同感の方もいらしたようで、立寄り客が帰った後に、自分達で湯小屋の外部にある加水バルブを調整し加水量を少なくしているようでした。後ほど来てみると44℃ほどに回復しておりいい具合になっていました。湯浴み客がいると濁り湯、いないと半透明湯の状況です。弱焦げタマゴ臭、弱酸味。ここも立寄り時間終了後は湯浴み客も少なく静かに湯に浸かることが出来ますが、立寄り時間内だとかなり賑わい騒々しく、お湯も死んでいる。
お宿としての温泉や浴室の管理には少々問題がある思う。黒湯温泉に限らず乳頭温泉郷は昨今の秘湯人気の影響のせいか、どこの温泉宿も大人気の有様。昔の湯治場時代はどこかへ行ってしまったと言っていいほどで、完全な観光地になっている。
(06年9月湯治部宿泊の感想)
(三昧)
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