首都圏の観光客にかなり人気のエリアである。土湯峠周辺を行き交う車のナンバーは首都圏地域が目立つ。その中にある野地温泉、これまた秘湯ブームで観光客が多数押し寄せる。H15年にリニュアルして、山のお宿としてキレイな造りとなっている。お風呂は館内数箇所に点在していて、男女別大浴場以外は交代制になっています。全てのお風呂に入りたいならば、宿泊してのんびり館内はしごをした方がよさそうです。立寄りでは忙しくて忙しくて。
男性内湯はガラス張り浴室に、三つ葉のクローバーのような形をしたタイル浴槽。全くと言っていいほど秘湯の印象はない浴室です。浴槽は10人ちょいサイズのもので、やや青みがかった白濁湯がなみなみと満たされています。これはまさに一般人受けするお湯と言ってもよいでしょう。薄青白濁、タマゴ臭は意外に少ない。浴槽温度は42℃ほど。湯口の投入湯は低温だったり冷たかったりと不安定でありました。要は、浴槽温度を自動感知して、温度が高くなると加水するシステムとの事。
男女交代制浴場のうち、訪問時は「長寿の湯」が男性タイムでした。独立した総木造り湯小屋はとても雰囲気が良く、嫌いな方はいないでしょう。天井も木組みで換気良好、柱上部には金精様が祭られています。大人4人が入れる浴槽が隣同士三つ並びに配置してあり、それぞれで45℃・43℃・42℃の温度差があります。一番端の浴槽には打たせ湯のように源泉が落とし込まれています。各浴槽には切込みがあり、隣の浴槽への湯の流れ込みにより温度調整されています。湯は乳白色濁り、弱タマゴ臭でとりあえずは楽しめるというもの。浴舎外には噴気を利用した温泉造成施設らしきものがあり、周辺ではもうもうと白煙を上げていた。パンフレットには「自噴」とあったが、ここの浴槽も他のお風呂で利用している源泉と同一のものを利用しており、自動加水システムも同様との事。
「鬼面の湯」も当日は男性浴室だった。開放感ある池のような形の浴槽は、大小の岩で囲われているもの。15人ほどが入れる広さの浴槽です。青みがかった白濁湯がたっぷりと満たされており、これは人気が出ないはずがありません。ここも源泉、加水システムは他のお風呂と同様。
(06年8月)
(三昧)
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